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超醒の救世者  作者: ミライ
1章
16/22

捜索開始!

「よ~し、自己紹介も済んだことだし、早速始めよ~!」

「ちょ、真緒(まお)さん。まだ僕たちの超能力について、話してないですよ」

「あっ!そうだった!ありがと~(あつむ)~」


 完全に二人のペースで話が進んでいる。それが問題というわけではないのだが、これを見せられてはノリがいいという性格には疑いようの余地もなかった。愛月(まなつ)は慣れているのだろうか、特に口出しをせずに静観している。


「そんじゃ、うちから」

「えっ?ちょっ?!!」


 真緒はそう言うと、急に上着を脱ぎだした。誠志はとっさに腕で目を隠すも、愛月と萃はいつものこととでも言わんばかりに、立ったままだ。

 数秒後、布の擦れる音が聴こえなくなったので、誠志は腕を徐々に離していく。そこには、水着を着た真緒の姿があった。


「おやおや~後輩君、もしかして期待しちゃった?ごめんね~実は下にぃ?!!」


 誠志をからかいだした真緒を、グーパンで愛月が粛清した。頭をぶたれた真緒は、その場に数秒うずくまっていたが、痛みも引いてきたのか、ぶった愛月の方に涙目で視線を移した。


「真緒、誠志が困ってるわ」

「あちゃ~ごめんね~」


 いつものことだからと見逃していた愛月も、流石にやりすぎと思ったようだ。もちろん、真緒に悪気はないのだが、誠志からの印象が悪くならないように配慮した結果が、この行動だろう。

 真緒は、ぶたれた頭をさすりながらゆっくりと立ち上がる。


「改めて…うちが何でこんな格好をしてるのか、その理由を見せちゃうよ!」


 そう言うと、真緒は両手を前に突き出して、指を少し追って見えないボールを持つように手のひらを上にして、その場に固定した。そして、一呼吸を置く。すると、空中に泡が出現し、徐々に大きくなっていく。ついには、見えないボールと称したものと同程度のサイズにまで大きくなった。


「これを…こう!」


 真緒は、手に持った泡のボールをヘルメットをかぶるように、頭に装着?した。


「これは?」

「真緒の超能力は『バブルボール』その名の通り、泡のボールを作ることができるの。そして、それを被れば、海の中でも呼吸ができるわ」

「だから、水着なんですね!」

「そう!いい観察力だよ~後輩君!うちの役目は、湖の探索。もしかしたら、沈んじゃってるかもしれないからね~」


 今回の目的は、落とした鍵を探すこと。この公園にあるのは、依頼主が通った道を調べながらここまで来た二人がここで探す気満々なところからも、確実と言ってもいいだろう。しかし、その鍵が遊歩道に落ちている確証はない。もしかすれば、湖に落ちてしまっているかもしれない。それを考慮して、愛月は真緒を呼んだのだろう。

 ただ、それはあくまでも湖を探索する際に適しているということであって、今回の依頼に適しているとはいいがたい。愛月が最適な超能力者を呼んだと言っていたことを考えるに、おそらくは…。


「次は、僕の番ですね。僕の超能力は『エンフォース』指定したものの存在を強調することができます」


 萃こそが、今回の依頼の最適任者。その超能力の真価はまだわからないが、聞いているだけでももう見つかったも同然な気がしてきた。


「それじゃ、捜索を始めるわ。真緒は湖を、私と誠志は遊歩道を、萃はそれ以外をお願い」

「え?霧河さん、それって萃さんに結構な負担がかかりませんか?」


 湖を探すのも大変だ。しかし、この公園の広さを考えると、遊歩道外を探す方がどう考えても難易度が高い。それを一人に任せるとは。それほどまで、萃の超能力はすごいのだろうか。


「大丈夫ですよ、誠志君。慣れっこですから。それに、いつもなら遊歩道も僕が担当しますから、まだ楽な方ですよ。後、萃さんはちょっとモジモジしてしまいますね…誠志君。君付けか、いっそのこと呼び捨てで呼んでくれませんか?」

「え、えぇと…萃?」

「はい。それでお願いします」


 誠志の疑問をさらっと答えて受け流すと、話題を転換して急に距離を詰めてきた。年齢はまだわからないが、背丈は誠志より少しだけ高い。真緒に敬語を使っているところを見るに、真緒よりも年下なのかそれとも誠志と同じタイプなのか。などと、今考えても結論は出ない。だからと言って、いきなり呼び捨てはどうかとも思うが、誠志にとっては君付け呼びよりはマシだった。


「それじゃ、捜索開始ね!」


 日は徐々に空の頂点に迫りつつある。昼前に終わるかわからないし、どのくらい時間がかかるかもわからない。朝ごはんのお礼は容器を洗っただけで、気持ちとしてはまだ返し切ってはいないと考えている。これは依頼で、恩返しとは言いにくいかもしれないが、誠志は受けた恩に見合った働きをするために、腰をかがめて道端を凝視し始めたのだった。

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