星田うい
「ねぇ、昨日投稿された新曲きいた?」
「きいたきいた!神曲だよね⁈」
「私まだ聴いてなくてさー」
「絶対聴いたほうがいいよ!」
星田ういとは、今知らない人はいないという絶世の歌姫。
曲を出せば一億再生超え。
世界一のVtuberだ。
そんな世界一のVの正体が気になる?
教えてあげよう。
それは私だ。
黒田らいか。
高2。目立たない普通の高校生だ。
特に飛び抜けて上手い事がなく、勉強はそこそこ、運動もそこそこな感じだ。
しかし私には一つ得意なことがある。
それは「歌」だ。
その私のとりえを誰かに聴いてほしくてVをはじめた。
そしたら、まさか世界一になっていた。
クラスではずっとういの話。
嬉しいけど、ちょっと照れくさい。
もう慣れてきたけどね。
「ねぇ、らいかちゃんも聴いた?ういちゃんの新曲。」
もちろんです。
本人ですから。
「あ……聴いたよ。いい曲だよね…」
「だよねーらいかちゃんわかってるぅ!」
なんか自分で言うのやだなぁ…
帰りの会も終わり、スクバを持って教室を出ようとすると…
「今日みんなでカラオケ行こうよ!」
カラオケかぁ。
バレやすいんだよなぁ。正体。
「ごめん、今日用事あって…」
「えーまた用事?じゃあ、今度行こうね。」
「うん…」
Vはじめてから、怖くてみんなの前で歌えなくなった。
中学生のころは何回かカラオケにみんなで行ってたなぁ。
もう行きたくないけど。