帰還
パルナコルアの聖泉宮を後にしてから数日。
大地を渡る風は、穏やかでありながら新たな決意を運んでいた。
「無事に終わってよかったね、ルア」
サティは馬車の窓から外の景色を眺めながら言った。
隣には新たな教師としての役目を胸に秘めた聖女ルアが座っている。
「ええ。パルナコルアでの役割を果たせたことに、心から安堵しています」
アリアの表情は柔らかく、少し疲れた様子も見せていた。
「ルメリアに戻れば、新しい生活が待ってる。学院の生徒たちも、きっと歓迎してくれるよ!」
「それが私にとっても大きな支えになるでしょう」
馬車はゆっくりとルメリアの城門へと近づいていく。
そこにはフィーネが出迎え、にこやかに手を振っていた。
「おかえりなさい、二人とも」
フィーネの声に、サティは力強く頷き返す。
「ただいま。これからが本当の戦いかもしれないけど、一緒に頑張りましょう」
ルアも穏やかに微笑み、ルメリアでの新たな章が始まる予感を胸に秘めていた。




