霧の正体と異界の影
薄暗い森の奥、サティとアリアはさらに深く進んでいた。
霧はますます濃くなり、視界を遮りながらもどこか異様な力を感じさせる。
「この霧……ただの自然現象じゃないわ」
サティは手をかざし、黒炎の魔力を繰り出すが、炎は霧に吸い込まれて消えてしまった。
「異界からの影響が強まっているのは確かね」
アリアは厳かな口調で告げる。
突然、霧の中から異形の影が現れた。
それは人の形をしているが、輪郭がぼやけ、時折霧のように消えそうだった。
「異界の存在……!」サティは剣を構えた。
影はゆっくりと近づき、かすかに呻き声を上げる。
ルアが聖なる光を放ち、影を押し戻そうとしたが、力及ばず。
「このままでは霧も影も広がってしまう……!」
サティは冷静に分析した。
「霧の根源を断たないといけない。異界との境界が弱まっているんだ」
「では、どうすれば……?」
「聖なる力と魔力の融合が必要だ。君の祈りと、私の魔術を合わせて」
ルアは頷き、二人は力を合わせて儀式を始めた。
その光景は、まるで異界と現世の狭間で繰り広げられる戦いのようだった。
果たして、霧の正体を封じることができるのか――。




