表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第10章 異界編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
74/389

封じられし城壁

「……ルゼス、なの?」


霧の広場に響くその名に、黒い翼を広げた異形の男が静かに首を傾げた。


顔の造形は確かに、記憶にある“彼”のまま。

けれどその瞳に映る光は、もう人のものではなかった。


> 「ルゼス、だったものだ。

今の私は《霧翼の従者ヴェスティア》、ザイデン様に忠誠を誓う存在」




「どうして……あなたはあの時、私の味方だったはずでしょ?」


フィーネ――いや、彼女の中の“エリシア”がそう問いかける。


> 「君が僕を斬った時点で、僕は君の“敵”になったんだよ。

それを選んだのは、君だ」




冷たくも、どこか痛みを滲ませた言葉。

その剣先が、フィーネに向けられる。


> 「君が前世を忘れ、別の名で生きることを、僕は望んでいた。

でも――こうしてまた“剣を取った”のなら、もう一度、君を試さなきゃいけない」




フィーネは、剣を握る手に力を込めた。


「望まれてたなら、なぜ今こうして私を斬ろうとするの?」


> 「だって……君が僕を殺したからだよ、エリシア」




刹那――

霧が爆ぜ、空間が歪み、二人の間に激しい剣閃が走る!



***


「サティ、手を出さないで!」


「……フィーネ……わかったわ」


サティは魔導結界を展開し、フィーネの後方を守る。


その瞳に映るのは、かつて見たことのない“本気の戦い”。


(あの男……フィーネと“深い関係”があったのね。なら、今は――)



***


ヴェスティアの双剣が霧を操り、虚空に刃を伸ばす。


対するフィーネは《契約剣・ルクレシア第二形態》を駆使し、空間を“断ち切る”。


> ギンッ……ガギッ!!




「“君は人を救うためなら、仲間すら切り捨てる”――

それが、君の本質だ。エリシア。

なら、その在り方が変わったって証明してみせろよ!!」


「私は……フィーネ・ラインベルクよ!!」


剣と剣が激突するたびに、霧が散り、空が割れ、記憶がこぼれる。

かつて交わした約束。

見つめ合った視線。

そして、最期にすれ違った後悔。


> 「君が僕を止めたあの時……僕は、君に殺されて良かったと思ってた。

でも、どうしても忘れられなかったんだ。

どうしても、君の“選ばなかった未来”を」




「私だって――!」


一閃。

フィーネの剣がヴェスティアの霧の翼を断つ。


彼の身体が、ふわりと力を抜いて宙に浮かぶ。


> 「……ああ。君はやっぱり……君のままだ……」




ヴェスティア――かつてのルゼスは、穏やかな顔で霧の中に消えていった。



***


広場には、静けさが戻る。


「……さよなら、ルゼス」


フィーネは、ただそう呟いた。


その刹那、都市の中心から鐘の音が響く。


> ゴォォン……ゴォォン……




サティが言った。


「最深部が、私たちの存在を感知した……」


「ついに、来るのね」


ザイデンが待つ《霧核》へ――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ