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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第9章 黒霧編

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真なる封印と、古代の遺跡へ

翌朝。

アヴァレル鉱区の封鎖が一時解除され、フィーネとサティはヴァイス将校と共に深層調査に乗り出していた。


魔影が現れた最奥部、そのさらに奥――

かつて“崩落のため立入禁止”とされた閉ざされた坑道があった。


「……これは……?」


瓦礫の奥に隠されていたのは、巨大な石扉。

地中深くにありながら、扉の表面は削れひとつなく、そこには古代語でこう刻まれていた。


> 『その剣、境界を断ち その血、契約を結ぶ』

――《エンメル騎士団》、最後の封印区域




「エンメル……?」


フィーネが目を見開く。


それは彼女が幼少期に読んだ、古代史の中にしか出てこない名前――


“異界門の大災厄”を封じ、歴史から姿を消したと言われる伝説の騎士団。


「その名前、今はほとんど記録に残ってない……たしか、異界との接触に関わった唯一の騎士団よね」


サティも声を潜める。


「まさか、その封印がこのパステコに……!」



***


ヴァイス将校が扉を調べるが、開ける術はない。ただ一つ、中央に浮かぶ“剣型の刻印”だけが反応していた。


「この模様……フィーネの刻印と一致している……?」


「試してみる」


フィーネが右手を扉にかざす。


すると扉の紋が共鳴し、淡く輝く。

数百年の封印が、微かに軋む音と共に、開き始めた。


ギギィ――ン……


扉の向こうにあったのは、石造りの大空間。

その中央には、一本の剣が“宙に浮いたまま”封印されていた。


「……あれは……」


フィーネの中で、何かが震える。


> 『これは、君に返すべきものだ――かつて、お前が失った“記憶”と共に』




再び、誰かの“声”が脳内に響いた。


「フィーネ、下がって! これは、ただの遺物じゃない!」


サティが魔力を構えた瞬間。


──ズンッ!


空間全体が震え、天井に浮かんだ魔術紋が発動。大量の魔力が“剣”に集まり、封印が一気に解放される。


> 「来る――!」




フィーネが剣に手を伸ばした瞬間、

彼女の“刻印”が完全に発光する。


ズアアアアアアァァァン……!


そして光の奔流の中で、フィーネの視界が暗転した。



***


気がつけば、そこは何もない虚空。


ただ一人、彼女の前に立っていたのは――

かつての《エンメル騎士団》の団長を名乗る男だった。


> 「ようやく目覚めたか。我が“後継の器”よ――」

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