表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第6章 領地繁栄編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/390

領主の帰還と新たな日々

「領主様! おかえりなさい!」


領地の門をくぐると、真っ先に声をかけてきたのは、顔なじみの領民たちだった。


「皆もお疲れ様。早速だけど、私がいない間になにか変わったことはあった?」


私の問いに、先頭にいた男が朗らかに笑いながら首を横に振った。


「特に何もありませんでしたよ。平和そのものです」


「なら良かったわ」


ホッと胸をなでおろす。王都であれだけ騒ぎがあった後だけに、我が領地に問題がなかったことは何よりの救いだった。


「領主様こそ、お疲れではありませんか?」


「疲れてはいないけど……今日はゆっくり休みたいの。だから、詳しい話はまた明日にしましょう」


「承知しました。ギルドマスターたちにそう伝えておきます」


「ありがとう」


私は軽く微笑んで返し、そのまま屋敷へと足を向けた。久しぶりの我が家――静かな寝室で目を閉じると、ほんの数分で眠りに落ちていた。



* * *


翌日。


私は屋敷にギルドマスターと騎士団の隊長を呼び、王都での出来事について説明を始めていた。


「なるほど、王都でそんなことがありましたか」


真剣な面持ちで話を聞いていたギルマスが深く頷く。


「だから、しばらくは他の業務を中断して、受付嬢として働こうと思ってるの」


「領主が受付嬢をしていたら、他の貴族たちに示しがつきませんよ」


苦言を呈したのは騎士隊長だ。けれど私は笑って、事もなげに返す。


「そこは心配しないで。姿は変えるから。“サリア”って名前で通すつもりよ」


「……分かりました。その姿の時は“サリア”と呼びます」


「よろしくね」


ふふ、久しぶりの受付嬢業務。懐かしさがこみ上げてくる。



* * *


それからというもの――


昼は受付嬢“サリア”としてギルドに立ち、夜は冒険者として、周囲の森を開拓する日々が続いた。


領土拡張のために、私は自ら先頭に立って草木を刈り、獣道を切り開き、時にはモンスターと戦いながら、土地を整えていく。


そしてある日、ついに開拓が終わった森を見渡して、私は静かに呟く。


「後は、外壁を作るだけね」


完成した領域は王都に匹敵するほどの広さだ。だが違う点もある――それは、地下に広がる街が存在すること。万が一、敵の襲撃などがあった場合、領民たちが安全に避難できる場所を確保しておきたかった。


「ちゃちゃっと作っちゃうか、外壁」


森の開拓を終えた翌日、私は一日だけ休みを取ってから外壁建設に取り掛かった。魔力を最大限に注ぎ込み、結界と融合させた石造りの壁を形成していく。


三十分後。


「……あとは、旧外壁を壊すだけね」


疲れた身体に魔力を戻す時間をとり、翌日、私は古い外壁を破壊した。風が新たな空間を通り抜け、開放感と共に新時代の到来を告げるようだった。


「さて……ギルマスのところに行くだけね」


私にはまだ、やりたいことがある。拡張に合わせて、ギルドの位置も変えたい。もっと利便性の高い場所に。


「良い顔してくれるといいな……」


そう呟きながら、私は歩き出す。ギルドへと続く、新しくなった領地の道を――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ