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もう一つの領域
セルマが行使した信域展開とは、自身の信仰するものを、領域内に具現化する。
領域内の効果は人によってそれぞれ異なる。
彼女の場合、信仰の対象が美徳であったため、善意な者は恩恵を受けることが出来る。
「サティ・フライデー!これで得意な《大罪》は使えなくなったぞ!これからどうするんだ?」
「正直、先生のことをなめていました」
これは事実だ。
まさか、《大罪》を封じられるとは思ってもいなかったから。
「一緒に来る気になりましたか?」
「スキルは使えなくても出来る限り抵抗させてもらいます」
「してみなさい!抵抗することが出来るならね」
正直、難しい。
スキルを封じられている上にこの領域内は先生の有利なように事象が改変される。
「何か良い手はないかな」
サティは必死に考え続ける。
考え続けた末に一つの疑問に辿り着いた。
──────領域内で異なる領域を形成した場合どうなるのか。
危険な賭けだけど試さずにはいられなかった。
「何か思いついたようだけど無駄だよ」
「無駄かどうかは実際にやってみないと分からないですよ」
そう言い放って深呼吸してから言葉を紡ぐ。
「大罪領域、展開。《強欲》と《虚飾》の混合エリア形成」




