新たな目標
学院の理事長室にいるサティとレイシア。
部屋から出ようとした時、1人の少女が現れる。
「《狂美》だったかしら?私たちは早く試験を受けないと行けないの、だから邪魔しないでもらえる?」
「そうはいきません。我々の目的はレイシア王女。あなたなんですから」
「わ、私ですか?」
「そうです」
「レイシア姫が目的なの?」
「目的というよりは人質と言った方がいいかもしれないですね」
「人質...陛下に何を要求するの?」
「いえ、我々が要求するのは国王ではなくあなたですよ。サティ・フライデー」
しばらく言葉を交わすと《狂美》は黙ってしまった。
誰かと話しているんだろうか。
「何か問題でもあった?」
「何故か学院内に戦士隊が入ってきているそうです。不思議です。こんなに早くバレるとは」
「あなた達からすれば不思議でしょうね。でもね、高貴な身分のお方に護衛の者が付くのはおかしなことでは無い」
「なるほど、あなたの仕業でしたか。次からはあなたを警戒する必要がありそうです」
「逃げ切れると思ってるのかもしれないけどあなた達に次はないわよ」
「アウグリア監獄塔。たぶんそこに行くことになるでしょうね」
「チャンスは待つものではありません。自ら作り出すものですよ」
そう言って彼女は部屋から出て行った。
「サティ!大丈夫?」
「なんとかね」
「捕まえなくて良かったの?」
「結界から出る時に大半の魔力は持っていかれたから今の私では力不足よ。それに近くに戦士がいるなら捕縛してくれるはず」
「他の人達も捕まえられたかな?」
「どうだろう。後で確認してみるね」
翌日。学院から後日改めて実技試験を行うと通達があった。
「今回の敵、強かった。私もちゃんと鍛錬しないとな」




