任務
ラミルとの決闘の翌日。
私は王宮に来ていた。
「呼び出して悪かったな」
「久しぶりです。戦士長」
「陛下が待っておられる」
私は応接室に連れてこられた。
戦士長は扉をノックしてから挨拶する。
「失礼します。サティを連れてきました」
「ご苦労。入りなさい」
陛下からも許可がおりたため入室する私と戦士長。
「久しぶりだな、サティ」
「久しぶりです」
改めて挨拶を交わした後に、陛下が私に対して、ソファーに座るように行ってきた。
「早速だが、本題に入るぞ」
「今回もユーリシア様のことですか?」
私は思い当たる節を尋ねてみた。
「今回は別件だ」
陛下の代わりに戦士長が質問に答えてくれた。
「別件?」
「あぁ、今回は長期的な依頼になりそうでな」
「長期的って......ー週間とかですか?」
「いや......四年だ」
「四年!?」
想像よりはるかに長かった。
「なんでそんなに長期的なんですか?」
「第八王女レイシア様のことは知っているな?」
「確か、戦士長が担当している護衛対象ですよね?」
「そうだ。あの方はもうすぐ16歳になる」
「確か、魔術学院の入学規定年齢は16歳からでしたね」
「そうだ。つまりあの方も入学式に参加しなければならない」
「すみません。この王女様と私が呼ばれたことは何か関係があるんですか?」
「大いにある」
戦士長がそう言うと陛下が話し始めた。
「サティ、娘と一緒に学院に入学してくれ」
「はい?私が学院に?」
「そうじゃ」
「他にも適性のある人はいると思いますけど」
「実は今回の任務にあたって、サティ、お前のことを少々調べさせてもらった」
「何かやましいものでも出てきましたか?」
「そういうものはなかったが学院に入学した記録が出てこなかったがどういうことじゃ?」
「私のスキルは知っていますよね?」
「あぁ、確か禁断の《大罪》スキルだったな」
「入学していないのはスキルが原因です」
「なるほど。そういうことか」
王様は納得する。
諦めてくれたのかとサティは心の中で思っていたが───
「なら尚更、学院に入学してもらわないとな」
「サティ、スキルが原因で入学したくない気持ちも分からなくはないが陛下も本気なのだ」
戦士長にそう言われた。
「分かりました。入学は良しとして、貴族の仕事はどうするんですか」
「そこも任せておけ、適任な者を向かわせている」
「分かりました」
「帰る前にレイシアと会っていくといい」
「分かりました。それでは失礼します」
陛下たちに挨拶をして私はレイシア様の元に向かった。




