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噂の凄腕冒険者
「サティ、聞いた?」
「何を?」
「今、この街に凄腕の冒険者が来てるみたい」
「凄腕冒険者ね....どんな人なんだろう」
凄腕とはいえ私より強い人がこの国にいるだろうか。世界中を探せばいるだろうけど。
「可愛い子だって噂になってるけどね」
「可愛い子?」
サティには一つだけ心当たりがあった。
「うん!心当たりあるの?」
「あるにはあるけど、多分別人だと思う」
「そっか」
「いったい、何者なんだろうね」
ルリは首を横に傾げる。
「この街にいるならそのうちギルドにも来ると思うよ」
「たしかに、早く来てくれないかな」
ルリは待ち人を待っているような表情を浮かべていた。
───その時。
ギルド入口の扉が開いた。
「久しぶりじゃな、サティ」




