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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第27章 収穫祭編

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新人のトラブル

昼下がりのギルド。

カウンターに慌てた様子で駆け込んできたのは、まだ十代半ばの新人冒険者たちだった。


「す、すみません! 依頼の途中で……魔物に荷物を奪われてしまって!」


「しかも仲間の一人がまだ森に……!」


受付に緊張した空気が走る。

隣で書類整理をしていたルリが顔を上げた。


サティは落ち着いた声で言う。

「まず深呼吸して。無事に帰ってきただけでも大事なことよ。……状況を詳しく教えてくれる?」


新人たちが必死に説明するのを聞きながら、サティは素早く紙に書き出していく。

「場所は東の森。荷物を奪ったのはウルフ系の魔物……。そして仲間が一人取り残されている、と」


「は、はい……!」


すぐにギルドの冒険者に救援依頼を回しつつ、サティは新人たちに優しく微笑んだ。

「大丈夫。すぐに手を打つから。あなたたちはここで休んでて」


そのとき、横からルリが口を開いた。

「サティ、私も行くよ。状況確認して、もし必要なら救援のサポートをする」

「……頼もしいね。じゃあ、気をつけて」


ルリは冒険者の一団と一緒に森へ駆け出していった。

残された新人たちは、不安げにサティを見つめる。


「……仲間、ちゃんと戻ってきますよね……?」

「ええ。信じて待っていましょう」

サティは穏やかに答え、その手をそっと握ってあげた。


数時間後――。

泥だらけになったルリと冒険者たちが、無事に仲間を連れ帰ってきた。

歓声と涙に包まれる新人たちの姿を見て、サティは胸を撫でおろす。


「ふぅ……やっぱり受付嬢って、現場にも負けないくらい大事な仕事だね」

ルリが笑いながら隣に立つ。

サティも微笑んで、頷いた。


――こうしてまた、ギルドには小さな成長と絆が刻まれていった。

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