ずっと一緒
市場をひと回りして、サティとルリは川沿いのベンチに腰掛けていた。
夕暮れの風が心地よく、喧騒から少し離れた場所で二人はのんびり過ごす。
「……ふぅ、ちょっと歩きすぎちゃったね」
サティが小さく伸びをすると、隣でルリが笑った。
「サティって、休みの日でも元気いっぱいだよね」
「そ、そうかな? そんなことないと思うけど……」
「あるって。市場でもあちこち見て回って、子供みたいに目を輝かせてた」
からかうような調子に、サティは思わず頬を赤らめた。
「な、なんか……ルリ、最近口調が変わった?」
「え? そうかな。サティと一緒にいると、つい楽で」
ルリは少し恥ずかしそうに肩をすくめる。
その仕草を見て、サティは心が温かくなるのを感じた。
「……うん。なんだか、それが嬉しいよ」
二人の間に、穏やかな沈黙が流れる。
やがてルリが空を見上げてぽつりと呟いた。
「こんな時間が、ずっと続けばいいな」
「……私もそう思う」
夕陽に照らされた川面がきらめき、二人の影を寄り添わせていた。
「そういえば、明日、酒場で飲み会があるみたいだよ」
「誰が来るの?」
私はルリに尋ねる。
「ギルド職員や冒険者かな」
「楽しそうね」
大勢の人が参加するならそれはもう交流会だろう。
「一緒に参加しようね。サティ」
「もちろん!」
またーつ楽しみができたサティは帰宅してゆっくり過ごすことにした。




