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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第27章 収穫祭編

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祭りの余韻

祭りの夜。


広場はまだ賑やかで、子供たちが走り回り、大人たちが酒を片手に笑い合っていた。


サティとルリは花火を見終え、帰ろうかと歩き出したそのとき───


「……あの、すみません! うちの子を見ませんでしたか?」


泣きそうな顔をした母親が声をかけてきた。


聞けば、祭りの人混みで幼い娘とはぐれてしまったらしい。


サティは即座に頷いた。

「わかりました。一緒に探しましょう!」


「ルリ、手分けして見て回ろう」


「はい!」


二人は人混みを縫って駆け出す。


サティは《感知》のスキルを使い、幼い子供の魔力反応を探った。


やがて、屋台裏の静かな路地で、小さな影を見つける。


「……お母さん……」

泣きながら膝を抱えていた少女を見つけ、サティは膝をついて優しく声をかけた。


「大丈夫、もう安心だよ。お母さんが待ってるから、一緒に帰ろう」


少女は泣きじゃくりながらもサティの手をぎゅっと握る。


そこにルリも駆けつけ、母親を呼びに走った。


再会の瞬間。

母親は娘を抱きしめて泣き、娘も泣きながらしがみついた。


その様子を見て、サティは胸がじんわり温かくなる。


「……よかった、本当に」


「サティさん、やっぱり頼りになりますね」

ルリが微笑む。


サティは肩をすくめて小さく笑った。


──こうして、祭りの夜に起きた小さな騒動も、静かに幕を下ろした。


ギルドの受付嬢として。

冒険者として。

そして、一人の人として。


サティは、守れるものを守れたことに心から安堵していた。

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