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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第27章 収穫祭編

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久々の受付嬢

 黒幕を討ち、ルメリアへと帰還した日、私はギルマスに呼ばれていた。


「サティさん、冒険から帰ってきて疲れているかもしれませんが、ギルドでは書類が溜まっていて大変なんです。しばらく出勤してください」

そうギルドマスターに言われるサティ。


「領主の仕事もあるんだけどな」

それとなく断る理由を言ってみるも「領主の仕事があるなら冒険なんてしてる場合ですか!」と言い返されてしまう。


「わかった。しばらくは出勤するから」

こうして私は久しぶりに受付嬢をすることになった。


ギルマスに呼ばれた日の翌朝。


 サティは、久しぶりにギルドの制服へ袖を通していた。


 深い藍色のベストに、白いブラウス。胸元には小さなギルドの徽章。


 それを鏡で確認すると、ようやく自分が日常へ帰ってきたのだと実感する。


「……よし」

 軽く息を整え、扉を開く。


 冒険者ギルド〈ルメリア支部〉の受付カウンター。


 朝から次々と依頼を受けに来る冒険者たちで、すでに賑わいを見せていた。


「おはようございます、サティさん!」

「お、帰ってきたな! 待ってたぜ!」


 常連の冒険者たちが声をかける。

 《死神》と呼ばれるサティも、ここでは《頼れる受付嬢》だった。


「おはようございます。順番に依頼を受け付けますので、慌てずに並んでくださいね」

 柔らかな笑みと共に書類を受け取り、冷静に処理していく。


 剣士、魔術師、商人、そして新人冒険者。


 それぞれの希望を聞き分け、適切な依頼へ導き、時にはアドバイスも添える。


 その手際の良さに、周囲は改めて「やっぱりサティだ」と感嘆の声を漏らす。


 だが───。


(黒幕が最後に言った『主』……あれは、まだ解明していない)


 書類に判を押す手を止めずに、サティは心の奥で考えていた。


 表向きは変わらぬ受付嬢の日常。


 だがその裏で、再び影が動き出そうとしている気配を、彼女は確かに感じていた。

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