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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第27章 収穫祭編

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ルメリア到着後

 夕陽に照らされる城壁の門をくぐると、街の喧騒が一気に押し寄せてきた。


 商人の声、子どもたちの笑い声、馬車の車輪が石畳を弾く音。


 そのどれもが懐かしく、サティとルリの胸に安堵をもたらす。


「やっぱり……この街の音、好きだな」

 ルリがほっとしたように呟く。


「私たちの拠点だからね」

 サティは微笑み、真っ直ぐに大通りを進んだ。


 目指すは、冒険者ギルド。彼女が日常を送る、もうひとつの「家」だ。


 ギルドの扉を押し開けた瞬間、中にいた職員や冒険者たちの視線が一斉に集まった。

 そして───次の瞬間。


「サティさん!」「無事に戻った!」

 歓声が湧き起こる。


 仲間たちが駆け寄り、彼女を取り囲んだ。


「……ただいま戻りました。依頼は無事、完了です」

 サティがそう告げると、場の空気が一気に和らぐ。


 安堵と歓喜の混じった笑い声が広がり、彼女の頬にも自然と笑みが浮かんだ。


 受付カウンターの奥から、長い髪をまとめた副ギルド長が歩み寄ってくる。

「よくやってくれましたね、サティ。詳細な報告は後ほどで構いません。まずは休んでください」


 サティは頷き、ルリの肩に視線を向けた。


 長旅と戦いの疲れが色濃く出ているが、それでも彼女は誇らしげに胸を張っていた。


「……サティ。やっと帰ってこられたね」

「ええ、帰ってきた。ルメリアに」

 二人の会話を聞いていた冒険者たちが、自然と拍手を送った。


 それは勝利の凱旋を迎える祝福であり、同時に新たな戦いの幕開けを示すものでもあった。


 ───影は消えていない。

 だが、この街がある限り、彼女は何度でも立ち上がるだろう。

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