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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第25章 盗賊退治編

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サティvs頭領

盗賊団の本拠地・洞窟の奥。


副頭領との死闘を制したサティは仲間たちの背後で、ただひとり、頭領と対峙していた。


「ほう……《暴食》の継承者か。女でありながらその力、興味深い」


「盗賊風情が大口を叩くのね」


頭領は重厚な黒杖を掲げると、魔力の奔流が洞窟を震わせた。火と雷の複合魔法が奔流となってサティに襲いかかる。


サティは即座に影を展開。足元から噴き出した黒影が盾となり、火雷を飲み込み、溶かすように消した。


「……っ、私の魔法を呑み込むだと?」

「暴食は、喰らったものを力に変える」


次の瞬間、サティの影から同じ火雷が逆流する。


頭領は魔力障壁で辛うじて受け止めたが、表情に焦りが浮かぶ。


「魔法を返すだけではない――」


サティの影は床を這い、頭領の足を絡め取った。


だが頭領は咄嗟に空中へ浮かび上がり、広域殲滅魔法を詠唱。


洞窟全体が赤熱する。


「逃げ場はないぞ、小娘ッ!」


しかしサティは一歩も退かず、静かに呟く。


「暴食─解放」


彼女の影が暴走するかのように膨張し、灼熱をすべて吸い込んだ。


返す刀で、彼女は黒影の刃を放つ。


まるで無数の剣山が頭領に襲いかかるかのような斬撃の嵐。


「馬鹿なッ……!」


防御ごと引き裂かれた頭領は膝をつき、血を吐いた。


サティは歩み寄り、冷たい瞳で告げる。


「これが――ギルドの受付嬢を敵に回した報いよ」

影の刃が最後の一撃を刻み、頭領は絶叫とともに崩れ落ちた。

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