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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第25章 盗賊退治編

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サティvs副頭領

サティは仲間の前に立ち、副頭領と対峙した。


風に揺れる黒髪、静かに掲げられる右手。その指先に魔力の光が灯る。


「……魔法使い風情が、この俺を倒せると思うなよ!」

副頭領は咆哮し、大斧を大地に叩きつけた。轟音と共に土煙が舞い上がり、サティの視界を覆う。


だが───


「───《シャドウ・バインド》」


サティの低い声と共に、土煙の中から黒い影が伸び、副頭領の両足を絡め取った。

「なにっ……! 動け……ぐぬぬっ!」


「力任せに振りほどけると思ったら大間違いよ」


その瞬間、彼女の周囲に六つの魔法陣が浮かび上がる。炎、氷、雷、風、土、そして影。属性の異なる魔力が渦を巻き、唸りを上げながら副頭領を取り囲んだ。


「馬鹿な……同時詠唱だと!?」

仲間たちすら息を呑む。


サティは一歩踏み出し、指先を振り下ろした。

「───《六連魔導・殲滅の環》」


轟烈な炎が燃え広がり、氷の槍が突き刺さり、雷鳴が炸裂する。暴風が副頭領の身体を打ち据え、大地が隆起して鎖のように絡みつき、最後に影が全てを呑み込んだ。


「ぐあああああああっ!」


絶叫が森を震わせる。副頭領は必死に大斧を振るうが、次々と襲い掛かる魔法に防御も追いつかず、ついに地面に叩きつけられた。


その巨体が動かなくなると、辺りに静寂が戻った。


仲間たちは呆然と立ち尽くす。

「……さすが、サティ……」

「副頭領が、こんなにあっさり……」


サティは肩で息をしながらも、冷ややかな眼差しで小屋を見据えた。


「終わりじゃない。……気配を感じる。奥に、まだ“頭”がいるわ」


次の瞬間、小屋の奥からゆっくりと扉が開いた。


その影は、冷徹な眼光を放ちながら姿を現す。


「なるほど……副を倒すとは。噂以上の実力だな」


───盗賊団頭領。

真の敵が、ついに姿を現した。

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