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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第25章 盗賊退治編

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副頭領との激戦

大斧を肩に担いだ副頭領は、にやりと獰猛な笑みを浮かべると、地面を踏み砕くように一歩踏み出した。


「こそこそと小屋に忍び込む度胸はあるようだな……だが、俺の斧を前に生きて帰れると思うなよ!」


豪快な叫びと同時に、大斧が振り下ろされる。地面が爆ぜ、土と砂利が宙を舞った。


前衛のアレンが盾で受け止めようとするも、衝撃は凄まじく、腕ごと吹き飛ばされかける。


「ぐっ……! こいつ、力が桁違いだ!」


「なら、速さで翻弄する!」

リーナが槍を滑らせるように突き込むが、副頭領は片腕で斧を薙ぎ払い、火花を散らして弾き飛ばす。


「生意気な小娘が!」


その隙を狙って背後に回り込んだカイルが短剣を振るう。だが副頭領は身を捻り、鉄の籠手で刃を受け止めた。

「チッ……硬ぇ!」


後方のミレイが即座に詠唱を終える。

「───《ウィンド・ランス》!」


鋭い風の槍が飛び出し、副頭領の肩口を掠めた。血が飛び散り、巨体が僅かに揺らぐ。


「やったか!?」

「まだだ!」


副頭領は傷をものともせず、大斧を横薙ぎに振り抜いた。轟音と共にアレンとリーナが弾き飛ばされ、地面に叩きつけられる。


「くっ……強すぎる……!」

「……あの巨体で、まだ動きが鈍ってないなんて……!」


副頭領は血走った目で仲間たちを睨み据え、息を荒げながら笑った。

「いいぞ……久々に心が躍る戦いだ。もっと俺を楽しませろ!」


圧倒的な力の前に、仲間たちは一瞬だけ怯んだ。だがそのとき───背後から一歩、静かな気配が前に出た。


「───もう十分。ここからは私が出る」


サティが、漆黒のローブを翻し、仲間の前へと歩み出る。


その眼差しは氷のように冷たく、しかし確かな決意に燃えていた。


「副頭領……あなたを倒して、この騒ぎに終止符を打つ」


副頭領は狂気を孕んだ笑みを浮かべ、斧を構える。

「面白ぇ……来い、小娘! その細腕で、この俺を倒せるものならな!」


───サティと副頭領。

両者の気配がぶつかり合い、森の空気が震えた。

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