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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第25章 盗賊退治編

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盗賊退治

広間がざわめく中、宿の主人が震える声で口を開いた。

「……もしかすると、山賊どもの仕業かもしれねぇ」


その言葉に一同の視線が集まる。


「近ごろこの辺りを荒らしている盗賊団がいるんだ。道を行き交う旅人から金品を奪って、時には人をさらうって噂だ」


商人は青ざめて腰を抜かした。

「そ、そんな連中がこの宿にまで……!?」


場の空気が緊張に包まれる中、出会った仲間の一人が立ち上がる。

「放ってはおけないな。旅人同士、困った時は助け合うもんだろ?」


別の仲間も頷く。

「被害がこれ以上広がる前に、奴らの根城を突き止めるべきだ」


宿に泊まるはずの静かな夜は一変し、急ごしらえの討伐隊が組まれていった。


松明の灯りを掲げ、数人の旅人たちが夜の森へと足を踏み入れる。


月明かりの下、獣道を進むその先には──盗賊団の根城が潜んでいるのだった。



***



森の奥へ進むと、焚き火の赤い光が木々の隙間から漏れていた。


息を潜めて近づくと、粗末な木造小屋と、その周囲にたむろする十数人の盗賊たちの姿が見える。


獲物を前に、彼らは豪快に笑い、盗んだ酒をあおっていた。


「ここが奴らの根城か……」

仲間の一人が剣を抜く。その刃が月光を反射し、冷たい光を放った。


「正面から行く。いいな?」

その声に、皆が頷く。


次の瞬間───。

「おらぁっ!」

仲間の一人が松明を投げ込み、焚き火が爆ぜた。


驚き立ち上がる盗賊たちに向かって、サティたちは突撃する!


「な、なんだぁ!? 旅人どもが攻めてきやがった!」


「かかれぇっ!」


剣と剣が激しくぶつかり合い、火花が夜の闇を裂く。


矢が飛び交い、盾で弾き返す音が響く。


サティの仲間は声を張り上げた。

「盗まれたものを返してもらうぞ!」


戦場は一気に混沌となり、怒号と鉄の音が交錯する。


そして───小屋の奥から現れたのは、分厚い鎧をまとった大柄な男。片腕に大剣をぶら下げ、顔には傷跡が走っている。


「チッ……俺の縄張りで好き勝手しやがって。てめぇら、ただの旅人じゃねぇな」


盗賊団の頭領が姿を現した。

その威圧感に、場の空気が一変する。

いよいよ、戦いの本番が幕を開けようとしていた───。

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