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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第24章 異国観光 エルディナ王国編

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出発点

 背後にそびえる城壁が、少しずつ小さくなっていく。


 振り返れば、まだ朝の光を受けて白く輝く王都が遠くに見えた。けれど、それはもう彼女たちの「帰る場所」ではなく、「出発点」だった。


 街道は緩やかに続き、両脇には黄金色の麦畑が風に揺れている。夏の匂いを含んだ風が頬を撫で、サティは深く息を吸い込んだ。

「……空気が違うね」


「はい。王都は活気に満ちてますけど、外は静かで、広い」

 隣を歩くルリの言葉に、サティは小さく笑う。


 門を出てすぐは、行商人の馬車や旅人の一団が道を行き交っていたが、少し進むと人影もまばらになった。


 鳥の声と草を渡る風の音だけが響き、世界が広がったように感じられる。


「ここから先は、私たちだけの旅ね」


「ええ。……でも、ちょっとワクワクします」


 ルリの瞳には不安よりも期待の光が宿っていた。


 サティはその横顔を見て、心の奥で静かに誓う。


 この先に何が待っていようと、守り抜く。彼女と共に歩む旅を。


 街道はやがて森へと続いていた。


 木々の影が差し込み、ひんやりとした風が二人を迎え入れる。


 王都を離れた二人の旅は、こうして静かに始まった。

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