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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第24章 異国観光 エルディナ王国編

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王都を発つ旅立ちの朝

夜明けとともに、王都の鐘が低く鳴り響いた。


宿の窓から差し込む朝の光は柔らかく、昨夜までの賑わいが嘘のように街は静まり返っている。


荷物をまとめ、玄関を出ると、まだ眠たげな空気の中でパンの焼ける香ばしい匂いが漂ってきた。


通りには朝市の準備をする人々の姿が見え、彼らは忙しくも朗らかに声を掛け合っている。


「……本当に、発つんだな」

仲間が背伸びをしながら呟く。


「うん。少し名残惜しいけど、次の旅が待ってるからね」


昨日の夜に交わした言葉が胸の中でよみがえる。


楽しい時間はあっという間で、だからこそ一つ一つが大切な思い出になっている。


城壁の門まで歩くと、朝日に照らされた王都の街並みが一望できた。


白い大聖堂の尖塔、丘の上の天空図書館、そして堂々とそびえる王城───。


振り返れば、そこにはエルディナ王国で過ごした日々すべてが詰まっていた。


「ありがとう、エリュシオン。また来ることができたらいいな」


門を抜け、街を後にする。


小鳥のさえずりが響く街道を歩きながら、私たちは次なる目的地へと足を進めた。


こうして、王都での観光の旅路は幕を閉じ、新たな冒険へと続いていく。

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