勤勉の継承者、イザーク
カザルスの中心部、学知大院の広間にて、サティは冷静な瞳を持つ青年と対峙していた。
「私はイザーク・フォルグレイン。
《勤勉》の継承者として、この都市の秩序技術群を率いている」
彼の言葉は端正でありながら、謙虚さを感じさせた。
「あなたが《七つの大罪》を全て会得した者と聞きました。
その力を持つ者として、どのように歩むか見せてください」
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サティは胸元の紋章を握りしめて答えた。
「代償も歪みも受け入れて、私は私の道を行く」
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イザークは静かに頷き、試練の説明を始める。
「勤勉とは、努力と継続、そして謙虚さをもって己を磨き続けること。
あなたに課すのは、己の力と心を限界まで試す試練です」
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その試練は、知識の探求と肉体の鍛錬、そして精神の鍛錬を複合的に問うものだった。
「怠惰を拒み、真の勤勉を手に入れるための試練。
さあ、始めましょう」
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サティの目は鋭く輝いた。
(私は怠惰をすでに会得している。だが、それはもう“ただの怠惰”ではない)
彼女の胸に秘めた《暴食》と《忍耐》の力が、静かに燃え上がる。
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試練の扉が開く。
新たな挑戦が始まったのだった。




