風の教えと新たな決意
ミネルバの闘いは、まるで静かな嵐のように鋭く、そして優雅だった。
鎖鎌が繰り出す一連の動作は、敵の攻撃をいなし、力を利用しながら確実に反撃に繋げていく。
「見ていてください、サティさん」
ミネルバの声は穏やかで、しかし決して揺るがない強さを持っていた。
「寛容とは、ただ受け入れることだけではない。敵の力を認め、活かすこと。自分の心の弱さも、抱きしめること。そうすることで、真の強さが生まれるのです」
サティはその言葉を胸に刻み、身を低く構えた。
「私も、あなたのようになりたい」
ミネルバは優しく微笑み、鎖鎌を一度空に向かって振るう。
「まずは、あなた自身を許すことから始めましょう」
その言葉を聞くと、サティの胸に何かが解けるような感覚が広がった。
「赦す……か」
ルリも穏やかに頷く。
「自分を赦すことができたら、どんな困難も乗り越えられるよ」
その時、遺跡の奥から新たな敵が姿を現した。
影の核の残滓――瘴気を纏った怪物が、二人に襲いかかる。
ミネルバは鎖鎌を構え、静かに戦いの構えをとった。
「さあ、試練の本番です」




