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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第21章 忍耐の兆し編

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ミネルバ、風の如く

 ヴァローナ渓谷の霧が晴れた頃、サティとルリは古代の遺跡の前に立っていた。


「ここが、次の目的地……寛容の試練の場所ね」サティが言う。


 遺跡の入口には、静かな風が吹き抜ける。


 突然、背後から柔らかな声が響いた。


「初めまして、サティ・フライデーさん。あなたが、忍耐を超えた旅人か」


 振り返ると、そこには長い銀髪を風になびかせ、優雅な佇まいの女性が立っていた。


 その姿はまるで、風そのもののように軽やかで、しかし芯の強さを感じさせた。


「私はミネルバ。寛容の美徳を司る者です」


 サティは一瞬緊張したが、すぐに礼儀正しく頭を下げた。


「お会いできて光栄です。私たちは、まだ学びの途中ですが、どうかご指導を」


 ミネルバは微笑みながら、手にした鎖鎌を軽く回した。


「戦いにおいても、寛容は力です。敵の攻撃を受け入れ、逆に力へと変えるのです。さあ、私の試練を受けてみなさい」


 遺跡の闇の中から、影のような敵が現れた。


 ミネルバは静かに構え、流れるように鎖鎌を振るった。


 敵の攻撃を一度も跳ね返すことなく、受け止めて流し、逆に敵を翻弄する。


「寛容は受け入れること、でも決して弱さではない」


 その戦い方はまるで風の舞いのようで、見る者を惹きつけた。


 サティもまた、静かに闘志を燃やした。


「私も……もっと強くなりたい」

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