影と光の境界
霧深い森の奥、サティとルリは影の気配を警戒しながら進んでいた。
「影はただの幻影じゃないわ。
あれは私たちの心の闇が形になったもの」
サティの声は低く、だが強い決意が宿っている。
「心の闇……つまり、大罪の一部ね」
ルリは頷き、手にした短剣の柄を握りしめた。
「でも、私たちには光もある。美徳もある」
突然、影が二人の前に姿を現した。
それは黒くねじれた霧のような存在で、触れるものを冷たく凍らせる。
「怠惰、暴食、そして……影の核の残滓」
サティは呟いた。
「さあ、私たちの強さを見せる時よ」
二人は息を合わせ、一斉に攻撃を仕掛ける。
影は煙のように避け、闇の中に消えたり現れたりしながらも、やがて二人の連携の前に力尽きた。
戦いの後、深い息をつきながらサティは言った。
「影はまだ消えないけど、私たちの光も強くなっている」
ルリは優しく微笑んだ。
「これからもっと強くなる。忍耐も寛容も、全部手に入れるんだ」
夜明けの光が森を照らし始める。
二人の影が長く伸びて、未来を指し示しているようだった。




