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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第2章 ダンジョン攻略編

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ダンジョン探索の前日

「ユーリシア様、今日は何をするか予定はありますか?」


共に暮らし始めて、ちょうど一週間。最初はぎこちなくて、何を話せばいいかも分からなかったが、不思議と今では自然に声をかけられるようになった。


「今日はね、ダンジョンに行きたいな」


「ダ、ダンジョンですか……?」


最初は「お菓子が食べたい」とか「猫と遊びたい」といった可愛らしい要望だった。だが最近は、だんだんとスケールが大きくなってきている。


とはいえ、それだけ私という存在を信頼してくれている証でもある。嬉しい反面、なんでも言うことを聞いていいのかどうか、時々迷ってしまう。


「ダメ……ですか?」


そんな小さな声で、上目遣いで見られたら断れるはずがない。


「ダメじゃないですよ! 戦士長に相談してみるので、少し待っててください」


私はすぐにポケットから《ミーティア》を取り出し、戦士長へと通信を繋げた。ちなみに、戦士長と連絡先を交換したのは、1週間前のパーティの席でのことだ。


『どうしましたか?』


通信越しにいつも通り冷静な声が返ってくる。


「ユーリシア様が……ダンジョンに行きたいとおっしゃっていて」


『いいじゃないですか。健全な欲求です』


「それはそうなんですが、私は受付嬢の業務をストップしてますから……ギルドに顔を出すのが少し気まずいというか」


『なるほど。たしかにそれは厄介ですね。……変装するというのは?』


「変装ですか?」


やってできないことはない。ただ、王女にバレるのはまずいし、バレた時の反応がちょっと怖い。


「……即席でパーティを作るのはどうでしょう?」


『いいですね。その案、いただきました。手配しておきましょう』


「ありがとうございます!」


通信を切った私はすぐに、ユーリシア様に明日の準備が整うことを伝えた。


「ほんと? やったー!」


まるで子供のようにはしゃぐ彼女の笑顔に、こちらまで嬉しくなってしまう。


「喜んでもらえて光栄です。明日、安全にダンジョンに潜れるよう準備しておきますね」


その日の夕方、戦士長から《明日、ダンジョンに潜るパーティが整った》と再び連絡が来た。


「ユーリシア様、明日に向けて、今日はゆっくり休みましょう」


「うん。明日が楽しみです」


王女としての日々、そして戦士としての任務。

立場は違えど、同じ目標に向かう日が来る。


その夜、私たちはしばしの休息を楽しみながら、静かに明日を待つのだった。

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