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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第18章 旅路編

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星の墜ちた街と、銀の瞳の少女

 ルメリアに戻って三日。


 街は相変わらず賑やかで、旅人や商人、冒険者たちが行き交う活気に満ちていた。


 サティたちは束の間の休息を満喫しつつ、ギルドの情報板や報告書に目を通しながら、次の目的地を探っていた。


「落ち着いたら、また任務に戻るんでしょ?」


 ルリが手にした焼き菓子をかじりながら言う。


「ええ。でも、次の依頼は慎重に選ばないと」


 そう答えるサティの脳裏には、あの核の最後の光景――

 ミリエルの微笑みが、今も残っていた。


 そこへ、突然───


「ねぇ、あなたたち、“星の墜ちた街”って知ってる?」


 澄んだ声が、すぐ背後から響いた。


 振り返ると、そこにいたのは銀髪の少女だった。


 年の頃は14、5歳。


 薄灰色のローブを羽織り、胸元には何かの紋章が刻まれたペンダント。


「……誰?」


 ルリが即座に警戒する。


 だが少女は怯えることもなく、サティの瞳をじっと見つめてこう言った。


「“影の核”を壊したの、あなたたちでしょ?」


 サティたちの背筋に、緊張が走る。


 街中で、それを知っている者はまだいないはずだった。


「どうして……それを?」


「予言にあったの。“白銀の瞳を持つ者が、影を裂き、星の落ちた街へ至る”って」


 ミカが小声で囁く。


「……瞳の色、まさか……」


 ルリも気づく。


 サティの瞳は、光に当たると銀色に輝く。


 それは、この世界においてごく限られた血筋にしか現れない色─“星読みの血統”。


「あなた、名前は?」


「……アゼル。アゼル=ネブラ。

 『星の墜ちた街』に関係する一族の、生き残りよ」


 サティが息を飲む。


 その名は古文書にだけ記されていた“滅びた都市”──

 星の墜ちたステラグラフ


 その地は、千年前に空から落ちた“星の欠片”によって消えたとされていた。


 伝説のような存在。けれど今、それが現実として目の前に現れようとしている。


「私を、そこまで連れて行って。あなたじゃないと開けない扉があるの」


 サティは、一度目を伏せた。

 迷い。緊張。予感。そして──強い確信。


「……わかった。行きましょう、“星の墜ちた街”へ」



***


 こうして、再び旅は始まる。

 新たな目的地、新たな仲間、新たな影─


 “第二の旅路編・ステラグラフ探索編”、始動。

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