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ギルド嬢の大罪無双〜平凡な受付嬢は禁断の力で世界を駆ける〜  作者: 柴咲心桜
第18章 旅路編

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影の残滓

 朝村を出発してから半日が経ち、サティたちは森の奥深くを移動している。風の音さえ吸い込まれるような沈黙の中、サティとルリは足を止めた。


「この気配……昨日の“影”と似てる」


 ルリが呟いた。昨夜、村を襲った謎の魔物――その残滓のような気配が、微かにこのあたりに残っている。サティは草をかき分けながら足元を見つめた。


「……魔素濃度が高い。ここが核の発生源かもしれないわね」


 彼女は手をかざし、目に見えない気配を探る。数あるスキルの内の1つ《解析》が脳裏に走り、瞬時に構造を読み取る。


「……あった。“影の核”。まだ未完全な状態だけど」


「今のうちに、壊しておく?」


 サティは頷く。「でも、待って。これ……自然発生じゃない。人工的に仕込まれてるわ」


「つまり、誰かが――?」


 その瞬間、森にざわめきが走る。風でも獣でもない、魔力の震え。空間が歪み、影が形を取り始める。


「来たわね……核の守護者」


 人型とも獣型ともつかぬ異形の魔物が姿を現す。だがサティはすでに動いていた。細剣を引き抜き、魔法の詠唱を重ねる。


「《封魔の銀光ルミナス・シール》!」


 閃光が走り、影を貫く。ルリも即座に援護魔法で追撃する。


「逃げ道は封じた。サティ!」


「わかってる――《浄化の刃》!」


 剣先が核を捉え、魔力が霧散する。守護者の咆哮とともに、影は消滅し、核も砕け散った。


 森に、静寂が戻る。


「ふぅ……これで、ひとまず安心ね」


「影の核……意図的に配置されてるなら、どこかに仕掛け人がいる」


「ええ。でも、それは後でいい。今は……」


 サティは空を見上げた。雲一つない青空が広がっている。


「旅を、楽しみましょう」

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