08【完】
念願の薬師が多く住む街というだけあり、薬草が豊富だ。
見たことのない薬草も少しある。
見ているだけで1日を過ごせそうだ。
「買うか?おれの奢りでなんか買ってやるよ」
ジョイ、ラグナらがそんなことを言う。
「赤子に奢ってもらう程、落ちつぶれてないわ」
「いやいや、おれ達は大人だ!それに、赤ん坊に近いってんなら、お前だが?」
一斉に、反論で埋め尽くされる。
それに関して、リンテイの発言は正しくもあるし、正しくないしと両方思っている。
人間としては己が一番の年下。
悪魔時代を含むと彼らよりも年上。
難しい話になる。
断ろうとしたら無理矢理買われた。
そういう話ではないと怒ろうとしたが、三人は言うことを聞かなくなった。
かなり、なにかをやりたいと思っているらしい。
悪魔視点からすると、よくわからないので、そのままにしておいた。
払いたかったのなら、好きにすればいい。
問答は時間を消費させるので。
薬草を買ってもらい、その荷物も持つというので、それも好きにさせる。
リンテイ的にはどちらでもいい。
カスクたちは薬草の街といって、あちこち連れていかれるが、気にしなかった。
逆にリンテイと、いろんなところへ行けることをすごく喜んでいた。
「おい、リンテイ。この薬草珍しいんだって」
ラグナは薬草を見つけて、声をかけてくる。
本当に珍しくて、頬が赤くなる程歓喜に染まる。
それを見た三人は買おうぜと、大盤振る舞いした。
ジョイも盛り上がり、街を楽しんだ。
ここに住みたいと思う。
「ここに住もうかしら。なかなか良さそうね」
ジョイたちはリンテイの言葉に頷く。
「別にいいけどよ?他の街にも言ってみないか」
彼の言葉も、考える余地がある。
腕を組み、リンテイはそれもそうね、と悩む。
カスクは、その発言に拳を軽く握る。
ここに留まるのは構わない。
と、三人はいう。
しかし、他の場所も行こうと三人はリンテイを誘おうと思っていたと告白される。
「ふーん。いいわね」
「えっ!人間になったから動きたくないって言われちまうと思ってた……」
ジョイが嬉しくも驚きに満ちた顔になる。
自分とて旅をして村を見つけて住んだ口。
旅など、なんとも思わない。
カスク達は、その言葉に「よかったよかった」と安堵しあっている。
別に言いたかったら言えばよかったのに。
言いにくいことだったのだろうか。
人間の考えていることはやはり、わからない。
細かくいつもなにかを考えてばかり。
リンテイは、三人を見ながら次はどうしようかなと考える。
薬草が豊富で目移りしてしまう。
四人は、それからまた街に戻ったが、戻る前にリンテイが街から離れたくないと言い始め、なんとか帰還した三人はかなり疲れ切った顔をしていた。




