05
カスクは腕を組んで、それを観察してくる。
「カスクさん、あんたが急に子どもみたいなこと言うから」
流石のラグナが苦言を呈する。
「あいつも悪くないか?なんでもかんでも、ホイホイついていこうとするんだぞ?」
リンテイはその間にもはちみつを回収し終えて、元来た道を通る。
やがて時間切れになって、蜂達が目を覚ますので。
リンテイが歩き出したので、三人もついて行く。
下手なことは言うもんじゃないなと、ジョイが独り言を述べる。
魔馬車に乗るリンテイはチラッと男達を見ながら、蜂蜜を舐めた。
「甘い」
味わっていると全員、馬車に乗りリンテイのはちみつを舐める仕草を見つめる時間になっていた。
「美味い?」
ジョイが特に深く考えず聞いてきたのを聞き、リンテイは「美味しい」と伝える。
「採取上手いよな。普段からそういうことやってんの?」
「ええ。薬を作るには、フィールドワークが大切らしいわよ」
話しをしてもらえて喜ぶ男に、リンテイはしれっとしていた。
「フィールド、ワーク?聞いたことねーなァ?お前ある?」
「ない。カスクさんは」
「学者とかが使ってるのなら、騎士には浸透しねェだろうな」
カスクは再び馬を操作している。
途中、休憩するとリンテイが自ら、飲み物を用意していた。
どうしたのだと聞かれたので、バイトのレストランで教わったものを作っているのだ、という。
手作りの言葉に「おお」となる三者三様。
「はい」
おざなりに渡されるそれを口にする面々。
「辛っ」
「甘っ」
「無味」
飲むものとして作られていないそれらに、それぞれ違う反応をするのをジッと見つめる。
「おれだけ、ただの白湯」
少し、つまらなそうに飲むカスク。
イタズラされるのなら、酸っぱいなどでも良かったのにと呟く。
その呟きに、イタズラされたかったのかと突っ込む男達。
「いや、やられるんならカスクさん一択じゃね?おれらただの巻き込まれじゃねェの」
「よりにもよって一番被害がない白湯。後になにかあるな、これは」
さらに休暇が終わって進む距離。
途中、緑豊かな土地に目が釘付けになる少女。
身を乗り出してさえいた。
「ん、あの森の中」
異変に気付いたリンテイは、一度男達につげる。
「あの森で、薬草を根本から引き抜いているバカが居るから、処してくるわ」
「うわ、リンテイの前でめちゃくちゃな薬草採取すると、ひでぇ目に合うの思い出したあああ」
カタカタと頭を守るように震えるジョイ。
幼い頃、遊びで薬草だと知っていて使ったら、薬草を煎じたいわゆる生のままの薬草を、口に無理矢理詰め込まれた。