北海道から来た子
202●年、東京の某区にて…
今日、転校生が来るらしい。
「北海道から来た、佐々木ミカです、よろしくお願いします!」
うおおっ、めっちゃ可愛いじゃん、この子。
「では、佐々木さんは高井くんの隣に。」
「はーい!」
元気な子だな…それにしても笑顔が可愛い。
こんな可愛い子の隣の席になれるなんて俺は幸せ者だな。
一生分の運を使い切ったかもしれねぇ。
歩く姿すら眩しい。
「高井くん?よろしくね!!」
俺のハッピーライフが始まった…気がする。
「なぁ、佐々木は北海道のどこから来たんだ?」
俺は興味本位で聞いてみた。北海道の地名なんて札幌と函館くらいしか知らない。
「くっちゃん」
へ?外国?どこ?
「知らない?倶知安」
「知らないよ…外国の地名じゃないよな?」
「もちろん北海道だよ。」
んなわけない。
「じゃあ漢字でどうやって書くんだ?」
そう聞くと佐々木は紙を俺に渡してきた。
その紙には
倶知安
と書かれていた。
「こんなん誰も読めないだろ…」
「そうかな〜?東京の地名も十分読みづらいよ。」
「嘘つけ。これくらいは読めるだろ。」
そう言って俺はメモに
世田谷
と書いてみせた。
「え〜、せたたに!」
残念!不正解!!
「『せたがや』だろ…こんなのも読めないのかよ」
「高井くんだって倶知安読めなかったくせに」
そんな顔したって無駄だ!
「あれは次元が違う!世田谷はテレビとかでよく見るだろ、読めて当たり前だろ!」
「聞いたことはあるけど漢字は知らなかった」
「東京に来たんだから地名くらい覚えろ!」
「じゃあ、高井くんが教えてよね」
佐々木は今日一番の眩しい笑顔だった。




