親族会議②
「それともう一つあるのですけれど……。
私、小さな頃に銀色の瞳の人を退治しない
といけないとキルア様に言ったのですわ」
「キルアに?」
ルイお兄様が小さな声で訊いてきた。
「はい。それでキルア様は一緒に退治を
しようとおしゃってくれました……」
部屋の中が悲しい空気に包まれた。
「そうか……。今話してくれた事をまとめると
ディアはポレット様で間違いないな。いや、
生まれ変わりと言うべきだな」
「は?」
レオンお父様がぽかーんとした。
「突然に何を言っているのだ?」
いや、そうなるよね。
「聖女様の予言書にこう記されているんだ。
『悪魔が復活する時、女神も復活するであろう。
そして我々も』と。女神様と悪魔は因縁の敵で
どちらかが現れるとどちらかがその存在を消す
為に現れると」
スッゲーーー因縁。スッゲーー運命の敵って
感じ。
「だからと言ってどうしてディアが女神様の
生まれ変わりとなるんだ」
納得いかないレオンお父様。
「まずはディアの外見だよ。ポレット様と
全部同じだ。金色の瞳を持つ人なんてこの国
にはいないだろう?1000年前からポレット様
しか持ってはいけない色なんだよ。それに髪
の色も同じ。そして悪魔が『愛しい人』と
言った。悪魔は数人いるが全員が敵なのに
ポレット様を愛していたのだ。そう記されて
いる」
それって殺したいほど愛してるって事か?
悪魔の考える事は理解できん。
「俺はねディアが幼い頃からポレット様の
生まれ変わりではないかと思っていたんだ
よ。でもそれこそ確信が無くてね。いや、確信
の様な物はあったのだが途中でそれがなくなった
のだ」
「それは何なのだ?」
レオンお父様が訊ねる。
「3歳までディアの魂の色がポレット様と同じ
七色に輝いていたんだ。この魂の事は一般的に
はあまり知られていない事実だ。で、ディアの
魂は両親の事があってから色が消えてしまった
んだ。そしてまた今年になって七色に輝き出し
た」
「「「「!!!!」」」」
ヴィンセット家の4人が驚愕した。
「そしてだ、これはエドくん情報なのだがディア
がこの前誘拐犯達と戦った時瞳の色が七色に輝いた
そうなんだ。ポネット様は戦闘体制に入ると瞳が
七色に光り出すと聖女様が記しているしこれは
ポレット様がモデルになっている絵本などでも
有名な話だよね?こんな偶然があるか?いや、
七色に魂や瞳が光る者などポレット様以外にいる
はずがないんだ」
誰も一言も発しない。
「エド、そうなのか?ディアの瞳が七色に?」
レオンお父様がしっかりとした口調で訊いた。
「……はい。旦那様にご相談をと思っていた矢先
神殿様からポレット様絡みのお話をされたので
先に話してしまいました」
エドは頭を下げて謝った。
「ディアとエドと3人で話したあの時だな……」
「そうだ。エドくんは悪くないよ?俺が聞き出した
ようなものだからね」
「分かっている……。ディアがブロスト様を呼ん
で欲しいと言った時、何故だ?と思ったのだが。
そしてブロスト様が疑いもなくディアの話を信じ
たのも合点がいった」
「だから〜。ユーリって呼べよ〜」
呼び名、どちらも譲らなくて平行線だね。
もうそのままで良くない?
その時私を抱きしめるローズお母様の腕の力が
強くなった。そして言った。
「ディアはどうなるの?もし生まれ変わりが本当
だとしたら……」