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Side キルア・モーデ④


アダン殿下が赤騎士団だけに極秘の訓練を

始めた。魔力持ちと魔法力持ちをわけそれぞれ

に呪文を教える。

俺は魔力持ちだ。しかし呪文を唱えて戦うなん

てした事がない。魔法力持ちの奴らもそうらし

く戸惑っている。

しかしアダン殿下直々の訓練だからとりあえず

やってみる。


呪文を唱えながら両手に気を集中させて前に

かざす。すると空中に魔法陣が浮き上がった。

が、それだけで何も動きが無い。


「殿下?俺のこれであってますか?」


思わず訊いてしまう。


「おぉぉ!キルア!一回でこんな完璧に再現

出来るなど素晴らしいな!お前は才能がある!」


興奮しながら俺が出した魔法陣をまじまじと

見ている。

そう……なのか?よく分からんが褒められるのは

嬉しいぞ。


「これをどのような状態でも出せるようになれば

次の呪文も教える」


アダン殿下はそう言って違う騎士の所に行って

しまった。で?コレはどんな時に使うのかって

説明は無いのか?

ほけ〜と突っ立ていた俺にルイが寄って来た。


「コレの他にも幾つも呪文があるそうだよ。私

もよく分からないけど……」


おいおい。団長にも詳しく説明していないの

かよ。それでいいのか?謎だ。


俺が3つ目の魔法陣を出せるようになった

頃、北の山岳地帯に今までに無い数の魔獣

が現れた。

赤騎士団が討伐に行く事になった。


ディア姫がその事を聞きつけ俺とルイに

お守りを作ってくれたのだ。

相変わらず刺繍は下手だ。そこもまた

可愛い。しかし何を刺してくれたのかが

俺には分からなかったがルイは直ぐに

分かった。悔しい。


そのお守りを内側の右胸ポケットにしっかり

入れて出発した。

直ぐに帰って来るから心配するなとディア姫

に言って。


確かに今までの比じゃない数の魔獣達だ。

しかしそれだけではなく強い。何故だ?

前にも戦った事のある魔獣達なのに攻撃力

が全然違うのだ。

負傷者も増えてきた時に緑騎士団と紫騎士団

が駆けつけてくれてこちらが優勢になった。


魔獣も殆ど退治して明日にでも王都に帰る

予定となった日、俺はふっと森の奥が気に

なった。ちょっと見回りしてくるわとルイ

に言った。


「分かった。1人で行くなよ。ジムと

リチャードを連れて行け」


ルイにそう言われたが何だか嫌な予感

がしたから1人で行った。

森の奥に進む。

魔獣の足跡を発見した。コレは今までより

もデカい。初めて出現した魔獣ではないだろ

うか?

早くルイに知らせなくては!

俺は来た道を戻ろうと振り返った。


するとローブを羽織った人が立っている。

誰だ?顔もフードを被っているからよく

見えない。


「誰だ?お前」


「ふふふ。誰だっていいよね。それより

君の胸ポケットに入っているモノを見せて

くれない?それから僕の愛しい人の香り

がするんだ」


声を聞くとローブの人物は男だと分かる。

胸ポケットに入っているモノといえば

ディア姫のお守りだけだ。


『愛しい人の香り』


だと!?ディア姫の事なのか?


俺は一気に戦闘モードになった。

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