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Side キルア・モーデ③


ヴィンセット家の訓練場でディア姫と偶然に

再会した。


5年前に会った時は笑っていてもどこか寂しげ

で触っただけで壊れてしまうのではないかと

思うほど儚げだったディア姫が美しさはその

ままに健康的で太陽の様に眩しい女神になっ

ていた。これほどまでに変わっているとは

思っていなかったがルイが外に出したがら

ないのが一瞬にして理解できた。


5年前のディア姫も一目惚れをしたぐらい可愛い

かったが成長した今も目眩がするぐらい可愛いか

った。抱きしめたい衝動を抑えながら声をかける。

俺のことなど覚えていないだろうと思っていた。

あの時の小さなお茶会は多分30分あったか

なかったかぐらいだ。しかもルイの友人だ

と言っても通りすがりのようなものだったし。


だがディア姫はクッキー王子を覚えていた。

俺は胸が高鳴る。嬉しかった。本当に。

思わず来年からは専属護衛騎士になると言って

しまっていた。ま、口止めもされてないし

いいだろう。

ルイが凄く不機嫌になったが全然構わない。


その後も何度か訓練場で会った。

少しずつ距離が近づいているような気がする。

俺は柄にもなくドキドキしていた。


本当に可愛い。これは専属護衛騎士になったら

俺は我慢が出来るのか。

もしもの時はメイドと従僕にボコボコにされる

はずだからそこら辺は心配無用だな。


騎士団の用事で王城へ行った時だ。

いつもキラキラで王子の様なルイが見た

事もないぐらいにボロボロになっていた。

何事だ!?

ルイに聞いてもボソボソ何か言ってるが

聞き取れない。そこにアダン殿下が来て

ディア姫に起こった一部始終を聞かせて

くれた。


なんて事だ……。ディア姫が襲われた!?

あの華奢な体で抵抗して戦っただと?

そして今は意識不明だ……と……!?

俺の体は怒りで震えた。

誘拐犯の殆どはルイが始末したようだが怒り

が鎮まらない。


ディア姫は戦いの訓練など受けていない。

それなのに従僕を助ける為に戦ったとは。

どんだけ綺麗でカッコいいんだよ。

お願いだ。死なないでくれ……。

女神なんて信じちゃいない。でも俺は女神にも

すがる思いで毎日祈った。


ディア姫の意識が戻ったと聞いて心底喜んだ。

良かった。女神に感謝だ。これからは女神を信じ

てやってもいいと思った。


ルイに毎日、毎日、ディア姫に会わせてくれと

お願いしていたらやっと会わせてやると言って

きた。何だよ。その嫌々ながらのオッケーはよ!

もう元気になったんだろう?

少しぐらい会わせてくれてもいいじゃねーか。


お見舞いは花とか?お菓子とか?迷っていたら

そんなの買う時間がもったいないとルイに

急かされた。1秒でも長くディア姫と一緒に

いたいらしい。

ルイの溺愛ぶりは事件後更に悪化した。

それはルイに限らずヴィンセット家全員だが。


部屋に通されディア姫の元気な姿を見て

安心した。

生きていてくれてありがとう。本当に。


ディア姫が笑っている。それだけで俺は

満足だ。

本当に可愛い。俺は一生ディア姫を守って

生きていく。改めて心に誓った。

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