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多分悪魔だと思います②


「それでか……。キルアの体の傷跡が魔獣に

やられたにしては細かくておかしいと思って

いたんだ。そのローブの男だったのか……」


ルイお兄様が悔しそうに言った。


「ルイお兄様……。信じて下さるの?私が

過去を見たって……」


恐る恐る言った。


「勿論だよ?世界中の人がディアを信じなく

たって私だけは信じる」


……。兄弟シンクロ。同じ事言ってくれた。

有難い。


「ルイだけではない。この屋敷の者達は

皆ディアの事を信じるに決まっている」


レオンお父様が鼻息荒く言う。

……。家族っていいね。

本当に有難い。


「ありがとうございます……」


ほろりとまた涙が落ちる。


「でも何故、キルアと戦った後、私の方に来なか

ったのだろう?私もお守りを持っていたのだけど」


「ローブの男の気まぐれか、何かあったかだな」


レオンお父様が低い声で言う。


「しかしキルアを手にかけ更にディアの香りを

勝手に嗅ぐなど許せん。殺す。何者だ。その

男は。人型の魔獣か?」


レオンお父様が更に低い声で言う。


ノアがしくしくしている私の手を少しキツく

握って目で合図してきた。

うん。そうだね。言わないと。1番大事な事を。


「そのローブの人物は……。

人型の魔獣ではなく『悪魔』だと思いますの。

わ、私が感じるだけですけど……。『悪魔』

ですわ」


力が入っちゃって2回も悪魔って言っちゃった。


「悪魔か……。1000年も姿を見せずに今になって

出てくるとは何が目的だ!?待て!ディアを

愛しい人と言っていなかったか!?」


レオンお父様を筆頭にルイお兄様もノアも

ギラギラと怒ってる。

綺麗な顔の方々が怒ると本当に怖いから

止めとくれ。


あれ?ローズお母様もエドもメアリーも怒って

る?怖いよぉー。こっちの怖さで泣けてくるわ。


「レオンお父様、ローブの人物が悪魔だって信じて

下さるの?これは私の勘ですのよ?違うかもし……」


「違うわけがない。ディアが間違うなんて事は絶対

にないのだ。アイツは悪魔で決定だ」


ディアは間違わないってその自信は何処から来る

んだよ。しかもまた会話被せね。うん。うん。

ノアの時も思ったけど最後まで話せないのが

安心する。やっぱり今の私はおかしいんだな。

そう思ったらまた涙が溢れてきた。

ホントどうにかして。


「だけど悪魔はいつ姉様を見初めたのでしょう

か?」


ノアが首を傾げる。


本当だよ。会ったことも見たこともないのに。

悪魔なんて私の人生において……。

私の……?

ちょっと待って。今何か引っ掛かった。

けど……。


チュンチュンチュン。

小鳥の囀りで目が覚めた。なぬ!?

何故に私はベットの中?しかも朝だよね、今。

さっきまで家族会議してなかったか?

記憶が飛んでるなぁ。

あっ……。そうか私、最後またギャン泣きし

ちゃって。


横に寝返りを打つとローズお母様が眠って

いる。先月私は15歳になった。

絶対にゴージャスな誕生会が開催されそうだった

ので先手を打った。

このお屋敷の皆だけに祝って貰えれば幸せ

だからと言って。

するとレオンお父様はそうか、そうかと嬉し

そうに頷いたのだ。

後からエドに聞いたけど本当は誰も屋敷に招待

したくなかったらしい。私を見せたくなかった

ようだ。これ家族と使用人全員の意見だった

らしい。何なの……。溺愛ってホント怖いな。


あっ。また話がズレた。元に戻そう。


15歳になったしあの事件から結構経ったので

もうローズお母様の添い寝は大丈夫だよって

なって最近は1人で寝ていたはずだけど。


「あら?ディア起きたの?おはよう」


ローズお母様が爽やかに挨拶してきた。

うっ。朝から美人過ぎて死ぬ。

寝起きでこんな完璧な女性っている!?

素っぴん最高ね。


「お、おはようございます……」


「その顔は何故私が一緒に寝ているのか

覚えてないのね?ふふふ。昨日ディアは

泣いたまま寝てしまって。夜中に起きて

不安にならないか心配で私が一緒に寝た

のよ」


「ご心配おかけしてしまってごめ……」


最後まで言い終わらないうちに後ろから声

が聞こえた。


「あぁぁ。ディア。起きたのか。まだ

早くないか?」


恐る恐る反対側に寝返りを打つ。

ひっ!!!

ひぃぃぃーーー!ひぃぃぃーー!!


「よく眠れたかい?」


そう言って微笑むレオンお父様が隣に寝て

いた。朝からダダ漏れの色気。

しかも髪の毛乱れ放題。即死案件な。


娘としては今日もカッコいい自慢のお父様。

アフロなおばちゃんとしては息子達と違って

犯罪臭がしない。これ違う意味でヤバいぞ。


「はい。ぐっすり眠れましたわ。おはよう

ございます!レオンお父様!」


とりあえず元気な15歳バージョンで。

速攻でローズお母様の方へと寝返りを打つ。


「ローズお母様が一緒に寝ている事は分かり

ましたわ。でも何故レオンお父様まで……?」


くるりとレオンお父様の大きい手で寝返りを

させられる。

再びレオンお父様のお色気ムンムンな姿が目に

入ってきてもう一度オハヨウゴザイマ状態だ。


「ディアが私の膝の上で眠ってしまてね。

ベットまで運んだのだが私の腕を離して

くれなかったから一緒に寝る事にしたの

だよ。ほら、ディアの服も着替えれなくて

そのままだろう?強く私の腕を抱え込んでい

たのでね」


嬉しそうに言うレオンお父様の服も昨日の

ままで私もだ。でも夜中に離してただろうに。

だってさっき起きた時は離れてたよ。

ど真ん中ででーんって偉そうに寝てたし私。


ちらりと嬉しそうにしているレオンお父様を

盗み見る。いや、別に堂々と見てもいいんだ

けどさ……。

くっ……。レオンお父様のお色気ビームで

ご飯何杯でもいけるわ〜。

ご馳走様。


毎朝、こんなお色気が隣に居てローズお母様は

よく生きていられるな。

何日、何回、見てもコレ即死案件じゃね?

駄目だ。ずっと見ていたいけど目がやられる。


そしてローズお母様に対して申し訳ない気持ち

でいっぱいだよ……。アフロなおばちゃんが

こんな素敵なあなたの夫の隣に寝ててごめん

なさい。罪悪感半端ない……。


あ。そうだ。今言おう。


「レオンお父様。お願いがあります。ユーリ様

に会わせて下さい」


私は一つの決断をしたのだった。

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