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お守り⑤


そうだったんだ。色々気を遣ってくれたのか

私が馬鹿そうだったからいっぺん教えるのは

無理と判断していたのかは分からないけど

とりあえずありがとう。


「でもお嬢様?神殿様に教えて頂く事になった

とお聞きしました。神殿様のお屋敷においでに

なられるそうですね」


「ええ。そうなったわ」


「そしてお供はエドとお聞きしました」


「そうね。レオンお父様が言ってらしたわ」


「私もお嬢様のお供をしたかったのです

けれど」


メアリーがギラギラした目でエドを見る。

あ〜そうか。メアリーとエドはいい感じだった

んだよね。思い出した。

だから少しでも離れていたくないのかな。


「ごめんなさいね。ユーリ様のお屋敷なので

あんまりお供を連れて行けないみたいなの」


「ふっ」


あ?今、エドが笑った?しかもなんかニヒル

な感じ?誰に対してなんだ?

ん?もしかして自分と離れたくないと匂わせ

たメアリーが可愛いくて自然と笑みが……?

そうか〜。エドはそーゆー表現が苦手だから

ニヒルな微笑みになちゃうんだ。

天邪鬼め。アオハルだね!羨ましいぞ!

いいもーん。私も来年学校に行ったらガッツリ

アオハルするんだもーん。


赤騎士団が討伐に行っていた魔獣が思いのほか

強く手こずっていると王城に連絡が入ったのは

3日後のことだった。

皇帝陛下は直ぐに緑騎士団と紫騎士団を山岳地帯

に派遣した。


赤騎士団の状況をレオンお父様に訊くと


「手こずってはいるようだが死者は出ていない

ようだ。救護班も増員したからケガ人も

大丈夫だ」


との答えが返ってきた。

そうか。一先ず安心。でも何で魔獣が強くなち

ゃってるのだろう。数が多い上に強くなられて

はそのうち騎士団に死者が出るのでは?と心配

になる。


どの騎士団の人も無事でありますようにと

祈りながら眠りについた。

それから2日後のこと。


部屋の外の騒がしい足音や声で目が覚めた。

まだ部屋が暗い。夜中か?

モゾモゾとベットから出ると静かにメアリー

が部屋に入って来た。


「お嬢様、起きられましたか?」


「メアリー?何かあったの?随分と騒がしい

けれど……」


「山岳地帯に行っていた騎士団の方々が

魔獣討伐から帰ってこられたのですが、

かなりの人数が負傷していまして王城に

帰るより我が屋敷の方が近く怪我人を

保護して手当てをしております。ノア様と

光魔法を使える方達にもこちらに来て頂き

治療をして頂いております。それと数名

死者も出ております……」


「え!?」


私の眠気は吹っ飛び手伝う為に着替え始めた。


「ルイお兄様はご無事?」


「ルイ様はご無事でございます。今、王城に

アダン殿下と旦那様と共に報告に行っており

ます」


よかった……。ルイお兄様は無事だったんだ。

ホッとしたが亡くなられた騎士様もいるような

ので複雑な気持ちだ。


「エドは?」


「エドは男手が必要だったので先に手伝いに

行っております」


「そう。分かったわ。怪我を負った騎士様達は

どのお部屋に?私もお手伝いいたしますわ。

メアリー案内して」


私はメアリーの後に続き走り出す。

走りながらある部屋が気になった。

その部屋の前で足が止まる。

ドアが少し開いていた。

手をかけ静かに開ける。


「お嬢様!そちらの部屋は!いけません!早く

こちらに!」


焦っているメアリーの声が遠くで聞こえる。

メアリーは何をそんなに焦っているのだろう

と思いながら吸い込まれる様に部屋に入った。


何かに毛布が掛けられている。毛布の先からは

人間の足が少し見えた。

ご遺体だ。10人以上横たえられている。

その中でふっと目が行くご遺体があった。

近寄ってみると毛布から右手が出ている。

袖の刺繍に目が行く。

騎士団長は金色の刺繍で副団長は銀色の刺繍

その他の騎士様は騎士団カラーで袖口に蔦の

刺繍がほどこされているのだ。


ご遺体の刺繍は……。

銀色だ。嫌な予感がする。

でも赤だけではなく緑も紫も討伐に加わった

から……。

その手を見ると何か握っている。

殆どが焼けて黒くなっていたが緑色の刺繍が

見えた。


どっくん。心臓が。どっくん、どっくん

うるさい。

黒く焦げたそれは私が渡したお守りだった。

いつも読んでいただきありがとうございます♪

昨日からアクセス数が恐ろしいほど増えました。

それに伴いブックマーク数もバーンと増えました。

これはなろうの都市伝説『10万ブースト』でしょうか?

どちらにしてもアクセスしていただいた皆様、ブックマーク

していただいた皆様、評価して下さった皆様、本当に

ありがとうございます!感謝、感謝です!

これからもゆる〜く更新していきますので皆様も

ゆるりと楽しんでいただけると嬉しいです!

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