表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/318

Side ルイ・ヴィンセット⑤


ディアがヴィンセット家の養女になってから

月に一度母方の伯父にあたる神殿様と会って

いる。しかしここ数ヶ月は神殿様が忙しく

会ってはいない。

神殿様はディアに会うのを優先させたいらしい

のだが国を動かす方だからそうもいかないよう

なのだ。


神殿様をディアに会わせたくない父上はここ

数ヶ月上機嫌だ。しかしここにきて会えると

連絡がきたのだ。

いつもに様に会う教会を指定し日にちも話し合い

決定した。


思えば太陽のディアになってから初めて神殿様と

会うのではないだろうか?あの方は我々一族とは

違う力を持っているので変わったディアに何かを

感じ取り父上が恐れているように連れ去ってしま

うのではないか?と不安になる。

それほど今のディアは魅力的なのだ。


当日になって父上に急用が入りディアの付き添い

として私がエドと行くことになった。

父上からは長々と注意事項を聞かされる。

これ程までに父上はディアを溺愛しているのだな

と改めて思う。

及ばずながら父上の様にガッチリとディアを捕まえ

ておかなくてはならない。


行きの馬車の中ではディアの隣にエドだ。私の

隣にディアを座らせたかったのだがそうすると

見えない。あの可愛い姿が見えないのは嫌だ。

しかしディアとエドの距離が狭い馬車の中では

近すぎる……。

よし。ここは膝上だ。それなら顔は至近距離で

見れるし抱きしめることも出来る。


私は膝をポンポンしながら


「おいで」


と言ってディアを座らせた。

いい香りがする。柔らかい体を抱きしめる。

……このまま何処か2人で行ってしまおうか。

そんな気になってしまう。

好き過ぎて目眩がする。


はっと気がつくと馬車が止まる。

教会に着いたようだ。

護衛騎士達を教会前広場に待機させて中に

入る。神殿様は少し遅れると伝言がきていた。

教会の1番奥の部屋で待たせてもらう事にした。


ディアの様子が変だ。

何か聞こえるようだが……?

突然ディアがソファーから立ち上がり走り出す。

エドも私も追いかけて部屋を出ようとした時、私

の前でドアが勢いよく閉まった。

一瞬で部屋には魔術がかけられドアが開かない。

とりあえずディアはエドが付いているから

大丈夫だろう。


そう思った時、緑色の煙が部屋中に充満した。

何だ?これは?一瞬目眩がした。

何かのウイルス……。分かったとたんに私の体の

中でウイルスと戦う何かが分泌された。


振り返ると出迎えてくれた修道女が立っていた。

いや、修道女だったモノだ。

それは人型の魔獣だった。

何者かと魔術契約をしているようで普通の人型

の何十倍も強い邪気を放っている。

私は素早く剣を抜いて構えた。


人型は壁や天井に張り付きながら口からドロドロ

した液体を吐き出す。

どうやらそれに触れると溶けるようだ。

液体がついた所がジューと音を立てて溶け

ている。

その液体を避けながら私も剣で斬りかかる。

ちょこまかと動き回る人型にイライラした。

早くディアの所に行かなかればならないのに。

もう面倒だ。と、思った瞬間。


人型の口から無数のムカデが出てきた。

しかも普通の大きさではなく一匹が50センチ

ぐらいある。口からムカデか。

気持ちが悪いな……。

ムカデが大きいからやけにカサカサと足を動か

す音が響く。その音がイライラした気持ちに

拍車をかけた。


私はその部屋を火の海にした後に急速に氷で

冷やした。一瞬でやったのでムカデの半分は

焼け、あとの半分と人型は冷凍された。

それを風で粉々に粉砕し部屋を出てディアの

元へと走った。普通の人型より強いと思ったが

そうでもなかったな。


教会から出ると目の前に信じられない光景が。

エドが倒れている。ディアを守っているはずの

エドが……。ディアは!?ディアは無事なのか!?

私は嫌な汗が出てくるのを感じディアを目で探す。


すると眩い光を背負ったディアが宙を舞い男ども

を倒していく。その姿は美しく尊かった。

まるで女神が舞を踊っているかのように。

訓練などしていないのに何故あのように戦える!?

太陽のディアは次から次へと私を驚かす。

美しくて強いディア……。

あぁぁ。ディア。私のディア。

君は……。

もうお前を離さない。離すものか。

絶対に……。

いつも読んでいただきありがとうございます♪

ブックマーク登録も本当に嬉しいです!

毎回、楽しんで書いています♪

これからもどうぞ宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ