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天使降臨


何故私が大人しくレオンお父様の膝に座って

いるのか?的な雰囲気にキラキラ夫婦がなっ

てきた時、ドアの向こう側が騒がしくなった。


「何故もっと早く僕に知らせなかった!?

知っていたのならこんな時間まで学校なんか

に居なかったのに!!」

そんな声が聞こえたと思ったらドアが開き

1人の少年が入ってきた。


その少年も秒で私の目の前に移動して片膝を

床につき素早く左手を握ってきた。

メアリーといい秒移動が基本なのか!?


「姉様!もうお体は大丈夫なのですか?

姉様が倒れた時に知らせてくれれば直ぐに

でも駆けつけたのに!!」

そう言って少年は私の顔をじっと見つめてきた。


うぅぅぅぅわぁぁぁぁーーーーーーーー!!!

天使!?天使だろう!?

目の前に天使降臨!!!


この少年はヴィンセット家の次男坊

ノア・ヴィンセット 13歳。


プラチナブロンドのふわふわした髪。ダークブルー

の瞳にまだ華奢な体。顔にはまだあどけなさが残る

絶世の美少年……。

恐るべしキラキラ夫婦の遺伝子。


そんな天使のようなノアのお顔が目の前に!

鼻血……。鼻血出してもよろしいか?

出血大サービスしてもよろしいかぁぁぁぁ!?


あぁぁ。宝石のような瞳が私の言葉を待っている。

鼻血なんて出してる場合ではない。

落ち着け。私よ。


私はノアに握られていない右手で彼の頬を触り

ニッコリ微笑んだ。


「ノア、心配かけてごめんなさいね。大したことは

なかったの。そうですわよね?ローズお母様?」


「まぁ!ディアったら!あなたが倒れたことは

ヴィンセット家にとって一大事なのですよ!?

でもお医者様、薬師、白魔術師、黒魔術師、神官様

それからあとはどなたでしたかしら?とにかく色々

な方々にあなたを診てもらって大丈夫との診断が

されたのでお父様にしか知らせなかったの」


あ……。そうなんですね?ヴィンセット家の一大事。

ごめんなさいです……。しかもそんな沢山の方々に

お世話に。なんかすいません。


「そうですよ!姉様!一大事です!」

ノアはプンプン怒る。

うわー!そんなお顔も天使!

すんごい可愛いぃぃ!可愛いぃぃ!

可愛えぇぇぇ!!!

興奮死ってあると思う。

今、まさに私がそうなりそうだ。


「知らせが来ていたらそんな奴らに姉様を

触らせず僕が光魔法で治したのに!!」

光魔法とは病気や怪我を治せる力のことだ。

ノアはこの国でそれができる数少ない稀有な

存在だったりする。

でもまだ13歳と幼いので体に負担がかかったり

するらしい。まだまだ修行中なのだ。


「ダメですわ!そんな簡単に貴重な光魔法を

私に使っては!あなたの体に負担がかか……」

「僕の1番大切な人は姉様ですよ!?僕の体な

んてどうなったっていいのです。姉様さえ無事

でいてくれれば」

私が言い終わらないうちに被せてきたぞ。

親子揃って被せてくるな……。


『僕の体なんてどうなったっていい』ではない。

それはダメ。ノア君よ、君はこの国において

とても大切な人なのだよ。私なんかよりね。



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