第二回スィーツパーティー②
パーティー当日。今回はノアの学校がお休み
に合わせての開催だ。
パーティーはお昼からなので朝から準備に
忙しい。
私は全お菓子の最終チェックを済ませてから
会場の準備に参加した。
するとノアが手伝いに来てくた。
「姉様!お疲れ様でした。昨晩も遅くまで
厨房に籠ってましたね。お体は大丈夫ですか?」
天使なノアがキラキラ度マックスで走って来た。
ここは天国?私お菓子の作りすぎで過労死した
のでは……?
「ふふふ。心配してくれてありがとう、ノア。
私は元気ですわよ。あっ、これ今回の新作なの
だけどお味見してみて下さる?」
私はエディブルフラワーすなわち食用花を乾燥
させてドライフラワーを作りドーム型のチーズ
ケーキに貼り付けて前世で言う『映え』ケーキを
作ってみたのだ。
ま、味は普通のチーズケーキなんだけど華やかで
パーティーにいいかな?と思って。
こちらの世界にもエディブルフラワーがあって
嬉しかったよ。
「わぁ〜!凄い!姉様は天才です!こんな素敵な
ケーキを作ってしまうなんて!」
そう言ってノアは私が差し出しているフォークの
先に刺さっているケーキをパクっと食べた。
さっきも言ったけど、味は普通のチーズケーキ
なんだけどね。
「美味しい!姉様!最高です!」
普通のチーズケーキだよ。ノアよ。褒め上手に
成長したのう……。
成長と言えばノア、あーた!身長がどえらく伸びた
のでは!?今、面と向かって立っているけど私の
頭一つ分高くなってるぞ!?
「ノア……いつの間にそのように大きくなったの
です!?つい最近までは私と変わらない身長でし
たのに!」
目を丸くして驚いている私を優しい目で嬉しそう
に見るノア。
「姉様、僕は今育ち盛りなのです。近々父上や
兄上と同じぐらいになります!そしたら姉様、
僕の膝に座ってもらいますのでもう少し待っ
てて下さいね!」
近々って。あと1、2週間みたいな勢いで言って
るけどそんな速さで身長伸びたら化け物だよ。
……でもこの世界ならあり得るのか!?
もうこの世界の基準が分からなすぎてバグる
わ……。
って、膝上目標は続行中なんだね。
頑張って。
ノアも来月には14歳になるんだっけ。そりゃ
身長もぐんぐん伸びるわけだ。
エドだって13歳になってどんどん体格もがっし
りしてきてるし。男の子の成長って凄いのね。
ノアなんてあと2年でこの国では成人することに
なるんだー。
成人すれば結婚だって出来る。ふむふむ。
……その前に私が成人するじゃん。
前世の年齢も2回目の成人式を迎えた私は
3回目の成人式のような感覚よね。
何回成人しても大人になれてないような気がす
る今日このごろだ。
「姉様?どうかしましたか?」
おっと。現実に戻ろう。
「ノアが美味しそうに食べてるのを見て嬉し
くなってしまって。頑張って作って良かった
ですわ」
「姉様が作ったものは全て一級品の美味しさで
す。いえ、姉様が作っていないものでも姉様が
お皿に取り分けてくれるだけで美味しいものに
変わります。取り分けていなくとも隣に居て
くれるだけで何もかもが美味しくなりますよ!」
何それ。
相変わらず病んでるっぽい。
ノアの世界には今も私1人のようだ……。
もっと頑張って正しい道に導かなくては。