キラキラ夫婦登場②
ギャァァァァーーーー!!!
何!?何のご褒美なのぉぉぉぉぉ!
あたふたしている私の顔を覗き込むように
女神のような眩しい美女がレオンお父様の
隣に座った。
レオンの妻で義母のローズだ。
ハニーブロンドのふわふわしたクセ毛に
ダークブルーの瞳がとても綺麗で惹き込ま
れそう。もうね、同性でもうっとりしちゃう。
「ローズお母様まで……」
突然に登場したキラキラな夫婦にオロオロ
する私。
「さっきねディアの意識が戻ったとエドから
聞いて急いで来たのよ。もう大丈夫なのか
しら?」
優しい声でローズお母様が話しかけてきた。
ふんわりした話し方で癒されるぅぅ〜。
ん!?エドがローズお母様に報告するの少し
時間差ない?
私が前世を思い返す時間たっぷりあったぞ?
やはりあの哀愁な背中はかなりショックだった
んだな〜。直ぐ伝えに行けないほど。
ごめんよ。エド。
はっ!ローズお母様が私をガン見してる。
返事しないと!
「はい。もう大丈夫ですわ。ご心配おかけして
申し訳ありませんでした」
と言うとレオンお父様に頭を撫でられた。
ちょっ……!ご褒美タイムはいつまで続くの?
うぐうぐ……。
「ふふふ。ディアがあなたの膝から逃げないなんて
初めてじゃないかしら?」
ローズお母様がふんわり笑顔で言った。
「ダメだよ、ローズ。そんなことを言ってしまった
らディアがまた逃げてしまうだろう?」
レオンお父様が私の頬に自分の頬をすりすりしなが
らローズお母様を見た。
ちょっ……、嬉しいのは分かるけど頬すりすり
攻撃は勘弁してくれないか?
即死案件なのだよ!
私、今気絶する5秒前……。
「そうね。小さな頃から私の膝には大人しく座る
のにあなたの膝からはいつもするりと逃げてしま
っていたものねぇ〜」
ローズお母様、自慢げだ。
「そうだ!やっとだ!10年目にしてやっと
座ってくれている!毎日乗せていた甲斐があっ
たというものだ」
ま、ま、毎日!?じゃあ今日も朝に乗せられ
済みなのか!?
しかし毎日逃げられてたのにメンタル強っ!
あっ、私も逃げればいいのか!
そうか、そうか。
よいしょって……ん?私の腰に巻きついている
レオンお父様の腕の力が恐ろしく強くなった。
これ遊園地のアトラクション安全バーぐらい
きついんだけど!?
空中で逆さになっても絶対に落ちないわ、これ。
分かりました、分かりましたから……。
もう逃げませんってば。
ん?ちょっと今思ったんだけども……。
「レオンお父様?今はお仕事のお時間なの
では?」
私はちらりと自分の真横にある美しい顔を
見た。そうだよ。こんな中途半端な時間に家
に居るはずないよね?
「ディア?私にはお前以上に大切な宝物は無い
のだよ?仕事なんてどうでもいい。ローズから
お前が倒れたと伝言を聞いて直ぐに帰って来た
のだ」
ニコニコしながら抱きしめる力が更に強くなり
私の頭にキスをしてきた。
はい。即死案件また発動。このまま死ねる。
1回死んでるけどまた死ねるわ〜。
しかしレオンお父様の仕事ってこの国の宰相で
皇帝陛下の近衛騎士団長も兼ねてなかった?
大丈夫なの?
「娘倒れちゃったから早退します」
って言えちゃうの?首飛ばないか?
「大丈夫。陛下は直ぐに帰ってやりなさいと
おしゃってくれたよ」
ふぉ!?私の心読まれた?いや、ガッツリ顔に
出てたか。
しかし皇帝陛下、毎度の事だし何を言っても
帰っちゃうから諦めモードなんだろね。
可哀想だ……。
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