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神殿様


「明日からエドが復帰します」


メアリーが言った。


「まぁ!そうなの?良かったわ。もう大丈夫

なのね?」


ふー。エドに何事もなくて安心したよ。


「お嬢様。嬉しそうですね。エドの事が好き

なのですか?」


え?何?そのストレートな発言は。

好きは好きでも意味が違うし。

そして何気に少し不機嫌なメアリー。


「私の従僕ですもの。好きよ?それは

メアリーに対しても同じ気持ちですわ」


これは本当だよ。メアリーも大事だからね?


「お嬢様ぁぁぁ!そんな事をおしゃっていただ

けるなんて嬉しいですぅぅー!」


それは良かった。相変わらず声デカ……。


「何が嬉しいのだ?」


レオンお父様とルイお兄様が私の部屋に入って

きた。あ……もうそんな時間か。

最近は2人揃って帰宅しそれぞれの部屋に戻る前

に必ず私の部屋に来るのがルーティーンになって

いる。皇帝陛下も私を労ってやりなさいと2人を

残業なしで帰しているらしいけどもうあれから

2ヶ月以上経ってるんですけど!?

もうガンガン元気なんですけど!?


「お嬢様が私の事が大好きだとおしゃって。それが

嬉しかったのでございます」


おっ。『好き』から『大好き』に変更されとるな。

ま〜メアリーは美人さんだからそこは許そう。


「……大好きだと?」


え?レオンお父様、メアリーだよ?メイドさんよ?

女性だよ〜?


「ええ。私メアリーが大好きですわ。頼りになる

お姉様みたいで」


「ふむ。姉か……。ならばよい」


レオンお父様がホッとした顔をした。


「レオンお父様、ルイお兄様、お仕事お疲れ様

でございます。今日の夕食はお2人がお好きな

鴨肉ですわ」


私は満面の笑みを2人に向ける。


「今日も我が娘は可愛い」

「その笑顔は他の男に見せてはいけないよ?」


同時に言うな。聞き取れんぞ。


「ディア少し話があるのだが……」


2人はソファーに座り私も座るよう手招きする。


「はい」


テーブルを挟んで2人の正面のソファーに座ろう

とするとレオンお父様が自分の膝をポンポンした。

いや、もうこちらのソファーに座る3秒前なので

このままで良くない?

わざわざそっちまで回り込んで膝に座るの?


ずっとポンポン音が止まらない。笑顔で膝を叩き

続けているレオンお父様はホラーだ。

顔が綺麗なのでホラー度が増す……。

私は渋々レオンお父様の膝上に座った。

もう私の椅子はレオンお父様かルイお兄様の膝上

確定でいいな。移動が面倒なんで次からは進んで

どちらかの膝上に座るようにするよ......。


横向きに座ったので真横に座っていたルイお兄様

と真正面からコンニチワ状態だ。

イケメンと見つめ合う状況。

あなたなら何秒耐えられますか?


「ブロストの奴がディアに会いたいと言って

きてる。実は1ヶ月前から毎日会いたいと言わ

れていたのを今まで引き延ばしていたのだが」


何でだ?私もう元気なんだから会っても良く

ない?


「私も出来るならディアに会わせたくないの

だけど……」


ルイお兄様まで?何で?


「アイツ、今回の事件前から自分の息子を

ディアの婚約者にとうるさかったのだ」


はは〜ん。なるほど。

それでか。事件の日にレオンお父様がルイ

お兄様に長らく注意事項を言ってたのって

ユーリ様の息子さんを警戒してだったんだ。


「しかしそろそろディアに会わせなくては

ブロストに怒られてしまう」


レオンお父様の長いため息が聞こえる。


「今回ディアに会ったら神殿様は絶対に息子を

推してくると思うよ?一回会えとか今度一緒に

連れて来るとか言い出しそうだよね」


ルイお兄様が無表情で少し震えて言った。

ヤバイ。ルイお兄様の震えは危険だ。


「分かりましたわ!私、はっきりとお断り致し

ます。それなら会っても大丈夫ですわよね?

その場にレオンお父様もいらっしゃって下さる

のでしょう?」


「ああ、勿論だ。そして会う場所はこの屋敷に

するから何があっても大丈夫だ」


そうして3日後、ユーリ様とアフロなおばちゃん

になってから初めて会う事になったのだった。


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