side エドアルド③
悪魔でも召喚してるんじゃねーか?
俺は息を殺して様子を見ていた。
すると……。魂に色がついている!!しかも
見た事もない七色だ。何だあの色は……。
光っていて眩しい。
それに今まで無かった娘の魔力が膨大な量に
なって体内で溜まっている。
しかし覚醒はしていない……。あの量なのに。
俺の心臓は一気に加速する。何故だ!?
ドキドキしてまともに娘が見れねぇ。
七色の光る魂と魔力量が魅力的過ぎて……。
娘に気づかれたのでそばに近寄ってみる。
すると娘が突然に変な事を言い出した。
自分はクラウディアではない。
別人格なんだと。おばちゃんなんだと。
おばちゃんだ?
そうなのか。別にどうでもいいが。
俺は落ち着いてきちんと娘を見てみた。
色が変わっただけで同じ魂だ。
娘の体に何か別のモノが入ってきた感じは無い。
娘がわーわー色々言ってる事を整理すると多分
前世の記憶なのではないだろうか?
そうだとしたら。何だこの娘。面白過ぎて
クラクラするじゃねーか!
ん?おばちゃんだのおばあちゃんだの言って
いるが本当にどうでもいい。
お前の方がこだわり過ぎだ。
娘が1人になりたいと言ったから俺は部屋を
出てきた。休憩室で時間をつぶすか。
少し頭ん中を整理しよう。
まずは……。
「エド。何故お前がここに居る?お嬢様が倒れ
たと聞いたが……。何かあったのか!?」
突然にメアリーの声がした。
あ、帰って来たのか。そう思って顔を上げると
俺が奴の質問に答える前にメアリーは走り出し
ていた。せっかちな奴だ。
まぁ実際に見た方がいいだろう。
説明が面倒くせー。
はっ!しまった!旦那様と奥様に娘が目覚めた
事を知らせるの忘れていた。殺される。
早く知らせに行かねーと!
それからのメアリーはニヤニヤして上機嫌だ。
気持ち悪りぃーな。あまり近寄らない方がいい。
その後も娘の魂が変化する事はなく七色の
ままだ。
娘と2人だけになった時に色々と話をした。
娘の前世は『異世界人』だったらしい。その世界
の暮らしを聞いた。本当にそんな世界があるのか
と驚かされる。興味深い……。
娘は俺にだけ異世界の話し方をする。
それが少し……。嬉しかったりするのは気のせい
だろう。
そして娘は何故前世の記憶が突然に戻ったのか
その理由があるはずだと言い出した。
何か自分はこの世界でやらねばならない事がある
のかもしれないと。
確かに前世の記憶は突然に戻った。記憶が戻る前
の娘が死人の様に中身が無かった事も不思議だ。
メアリーが何かを知っていそうなもんだが娘に何
も言わない。俺にも何も言わない。
聞き出すのも面倒くせーから娘と2人で調べてみ
る事になった。
そうこうしてるうち前世の記憶が戻ってからの娘
は嘘のように活発的になり大喰らいになり健康に
なった。
体力が無いと言って自ら積極的に体を動かす。
最初は魂の色と魔力に魅力を感じていたが……。
今では『クラウディア』本人に魅力を感じる様に
なっている……のか?この俺が!?
そんな事はありえない。
絶対に。
「お前。お嬢様が変わってから前とは違う意味で
興味をもっただろう。絶対に手を出すなよ」
メアリーと一緒にお茶の準備をしていると
突然に言われた。
「は?」
「は?じゃない。見るからにお前の態度が変わって
いるぞ?自分で分かっていないのか。呆れるな。
ルイ様もノア様も気がついてるぞ。勿論レオン様
もだ」
俺の態度が変わっている?
そんな馬鹿な。
「何だその顔?お前、お嬢様の前でだけ笑って
いる事が多くなっているぞ?それに口数も
増えた。その他も色々あるがな。精々レオン様達
に殺されないよう気をつけることだ」