キラキラ夫婦登場
「死ぬはずだわ〜。だって死ぬほど痛かった
もん」
私は豪華なソファーに座り頭を抱える。
しかしアフロなおばちゃんがこんな美少女に
なるなんて……。アフロ……。あと2日後に
美容院に行く予定だったのにさ。
アフロのまま死んじゃうとか……。
うっ……。アフロ……。
いや、今気にするとこそこじゃないよね、私。
バァァァァーーーーーーン!!!!!
恐ろしい勢いで部屋のドアが開いたけど!?
驚いて顔を上げるとそこにはメイドのメアリー
が泣きそうになりながら立っている。
艶やかな黒いロングストレートの髪をしっかりと
後ろで結び可愛いメイド服を着ている。
メイドにしておくのが勿体無いほどの美人さんだ。
「お嬢様ぁぁぁぁぁ!!!もう起きても大丈夫なの
ですかぁぁぁぁぁ!!!」
メアリーは私の手を握りながら叫ぶ。
おう!声デカ!!
えっと……。私はお嬢様言葉が話せるのか?
恐る恐る答えてみた。
「メアリー。心配かけてしまってごめんなさいね
もう大丈夫よ。安心してね?」
良かったーーーー!
スラリと口から出てきた。
「しばらくお倒れになる事がなかったので油断して
おりました!!!!」
メアリーは半ベソになりながらまた叫ぶ。
……元々声が大きい子なのかな?
そういえばクラウディアは体が弱い設定だった。
小さな頃からよく倒れる、発作は起こす
少食だわでなんか大変そうだと思って読んでたっけ。
「メアリー、あなたのせいではなくってよ?私の
体が……」
「ディア!大丈夫なのか!?」
私が話してる上から被せるように男性の声が聞こえ
てきた。
私の手を握っていたメアリーが秒でさっと横に避けた。
す、素早い……。
すると私の体がふわっと持ち上がりポスッと広い胸に
抱きかかえられた。
ほわっといい香りがする。ふぅー。なんか安心するわ
この胸の中。
……じゃなくて誰!?顔を上げて確認する。
「うぐっ!」
思わず変な声が出てしまった……。
サラサラのプラチナブロンドの髪にダークグリーン
の瞳。広い肩幅と程よく筋肉がついた体。
人間なのかと疑うほど綺麗な顔。
体全身から漂う男の色気。
そうこの人は……レオン・ヴィンセット・ノアール。
クラウディアの父親の兄で今は義父だ。
「レオンお父様……」
あまりの衝撃にぽけぇ〜となりながら呟いて
しまった。
そーいえば思い出したよ。
クラウディアは実親と区別する為に義父と義母
には名前をつけて呼んでたっけ。
レオンお父様はぽけぇ〜としている私をニコニコ
しながら見つめてきた。顔近っ!
そしてそのままソファーに座り自分の膝の上に
私を座らせた。