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詳細諸々④


色々考えてしまって真っ青になっていた私。

するとレオンお父様が私からルイお兄様を

引き剥がしにかかった。

渋々離れるルイお兄様。


「しかしアイツらに『逆魅了』の魔法が

かけられてて良かった……」


ルイお兄様を私から離してご満悦なレオン

お父様が小さく呟いた。


逆魅了……。それは言葉通り魅了の逆でいくら

魅力的な人、物などを見ても魅力を感じない

魔法ですね?


私すっかり忘れてたけど……。

元レディース気質が出ちゃって戦いに意識が

飛んじゃてて忘れてたけど私って美少女だった。

お色気は何処かに家出してるけどキラキラの

美少女っぷりは健在なのだ。あんなマッチョな

おっさん20人の中に放り込まれたんだもん

逆魅了が発動してなかったら……。

考えただけでも恐ろしい……。


「アイツらがかけられていた魔法を調査した

ところ『逆魅了』がかけられていたと報告が

あった。もしもかけられていなかったらと思う

とゾッとする」


その言葉にローズお母様もルイお兄様も息を

呑んだ。


た、助かった……。黒幕が何故そんな魔法をかけ

たか分かんないけど、とにかく助かった……。

殴られるより蹴られるよりそっちの方がダメージ

強いわ〜。立ち直れそうにない。

隣に座っていたローズお母様が私をギュッと抱き

しめてくれた。


「本当に良かったわ……ディアがそんな目にあ

ってしまったら私生きていけないわ……」


うひょぉぉぉぉぉーーー!これローズお母様本気

なやつな!顔が本気だ。ヤバイぞ……これは簡単

に襲われてはダメだ!


私が死んだらノアが後を追うし、襲われたら

ローズお母様が死んでしまうし。

これからはもっと気を引き締めて生きていか

なければ……。


次の日の夜。夕食を終えた私はレオンお父様の書斎

に足を運んだ。


「レオンお父様?少しよろしいでしょうか?」


ドアをノックしながら問いかける。


「ん?ディアか?珍しいな。入りなさい」


ではお邪魔しま〜す。


エドが倒れ私が戦ってる時って誰も目撃者がいな

いからその時何が起こったかを知っているのは私

だけ。だからレオンお父様に全部話ておこうと

思うのだ。きっと本当は聴取を取りたいと思って

いただろうに私に気を遣って後回しにしていたの

だよねって思い自分から話す事にしたのですよ。


その気持ちを伝えるとレオンお父様は小さく

頷いて


「まだ思い出したくなければ今でなくともいい

のだよ?辛くはないか?」


と言ってくれた。


「もう大丈夫ですわ。私、こう見えても結構

強いのです」


「そうだな。ディアは小さな頃から強い」


ふふ……。と笑ってレオンお父様はソファー

へ移動して座り自分の膝の上を両手で

ぱふぱふ叩き私に


「おいで」


と言って微笑んだ。

グォォォォォォォーーーー!その微笑み。

男の色気バンバン出まくってますよ!?

最近事件の捜査やら何やらで疲れているレオン

お父様はアンニュイな色気を漂わせている。

グォォォォォォォーーーー!やっべーよ!

ルイお兄様の『おいで』とはまた違う大人の

『おいで』……。

私、野獣になっちまうところだった!


事件後初のレオンお父様の膝の上。

失礼致します。

座らせていただき候。私は武士か?

ふぅ〜。落ち着いたので私は話し出す。


ちなみに助けてくれて事件の後処理とかをして

くれたルイお兄様も一緒に聞いてもらった方が

いいかとも思ったけどこれ以上トラウマが酷く

なったら困るから止めといた。


偽修道女と会って嫌な感じがしたとこから

順を追って話していく。

父様と母様の声が聞こえた事を伝えると

レオンお父様の表情が一気に変わる。


「ロノフやソフィアまで出してきたのか!!

許せん……」


またまたホラーなレオンお父様降臨です。

流石父様を溺愛していただけあって殺気が

半端無い……。

この報告は後にユーリ様にもされたのだが

こちらも母様を溺愛していたのでレオンお父様

と同じ反応をしたようです。怖っ。

黒幕よ、この2人を敵に回してしまったけど

後悔しても遅いよ?


私は淡々と話していく。話を聞いていたレオン

お父様の雰囲気がどんどんダークになっていく。

吹っ飛ばされたり髪の毛引きちぎられたりの

話でレオンお父様は私をギュッと抱きしめて

自分の額を私の額にコンとつける。


「あぁぁ……。ディア……」


そしてと呟いた。


ちょっと待ったぁぁぁぁぁーーーーー!

その距離感!無理でしょう?無理よね?

近すぎて少し間違えたらチュウーーーしちゃう

よね?あ、間違えない?ソウデスカ……。

1人で興奮してすいませんです。


そして頭を踏まれた時の話になった時ついに

レオンお父様の綺麗なお顔から表情が無くなっ

た……。無表情のまま


「アイツら……。口封じの魔法で簡単に死なせ

てしまった……。もっと××して更に××にして

トドメに××しとけばよかった……」


××は色々と配慮致しました……。

ルイお兄様の時と同じく言葉では言い表せな

いです。はい。


「レオンお父様、そのう……魔力無しの人々

が辛い目に遭っているなんて初めて知りました。

だからといってあの者達が私にした事は許せな

いのですけれど……。ですが魔力無しの人々が

もう少し生きやすい国には出来ないものでしょう

か?」


ちょっと頭踏まれながらそう思ったんだよね。


「うむ。前から魔力無しの者達の生活について

は時々報告が上がってはきていたが……。

私の管轄外だったのであまり口出し出来なかっ

たが今回の件で状況が変わった。少し突っついて

みよう」


「ありがとうございます!」


レオンお父様は私の頭を撫でて微笑む。


レオンお父様はきっと何故私が訓練も受けてい

ないのにマッチョと戦えたのだろうと疑問に

思っていると思う。

なのにその事には一切触れずただひたすら私

の頭を撫でていた。

ありがとう。レオンお父様。


私は久しぶりにレオンお父様の良い香りに

包まれて幸せ気分になった。

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