詳細諸々
私が目を覚ましてから4日ほど経った。
レオンお父様とルイお兄様は事件の捜索や
後処理、皇帝陛下への報告など毎日忙しく
している。そんな中でもわざわざ時間を作っ
て私に会いに来てくれるのだ。
もう元気になったから大丈夫だと言っても
心配だ、心配だと事件前よりも過保護にな
ってしまった……。
ローズお母様はもっと凄くて毎日ずぅーと私の
側を離れない。
ノアも学校を休んで側にいるなんて言い出した
のでそれはダメだと私は言った。
だって学校に行ける時期なんて限られてるのに
私の為にノアの青春を取り上げるなんて……。
って、ノアってリア友いないって言ってたけど
きちんと青春しとるのか?
おばちゃん心配だよ……。
話が逸れてしまった。戻そう。
そう、私はノアに学校にはきちんと行って欲しい
とお願いしたのだ。すると朝学校に行くギリギリ
までと帰ってきてから寝る時間までずぅーと一緒
にいるようになってしまった。
うっとりする美貌のローズお母様と天使なノア
の2人がずぅーと一緒。
嬉しいけどな。
美人親子と夢の時間な。
しかしガッツリ軟禁状態な。
でもあの日ルイお兄様に抱きかかえられて屋敷
に戻ってきた私の姿を思えば家族が過保護に
なってしまうのも仕方ないとも思う。
私の顔は青アザだらけで頬はバンバンに腫れて
いた。鼻が折れて曲がり顔中血で真っ赤だった
みたい。髪の毛の一部は無惨にも引きちぎられて
おり頭皮が見えていたそうだ。こちらも大出血だ。
ろっ骨は数本折れていて内臓の何処だかは傷つい
ていたらしく手と足はすり傷と打撲によるうっ血。
一見もう死んでいるのではないかと誰でも思って
しまう状態だったようで……。
私を溺愛してくれている家族や使用人達にとって
その姿は衝撃的だったろうと推測される。
ローズお母様は泣き叫び半狂乱に。
ルイお兄様は直ぐに学校に行ってノアを連れて
来てくれた。ちなみにここで移動魔法が適用さ
れたようだ。
そしてルイお兄様と共に戻って来たノアは号泣
しながら毎日寝ないで私の容体が落ち着くまで
光魔法を発動し続けてくれたのだ。
感謝。本当に感謝だよ。
そして私ってば光魔法の常連さんみたいに
なちゃってる……。貴重なお力をほぼほぼ
独り占め状態……。すいません。
この話はメアリーがコッソリ教えてくれた。
メアリーもその場に居なかったので他の使用人
から聞いたのだとか。
レオンお父様とメアリーが行った村の揉め事は
当然の如くなく村人達も『なんの事ですか〜?』
と平和そのものだったらしい。
その瞬間レオンお父様は私と自分を引き離す為
の偽装だったと分かりメアリーと共に移動魔法
で屋敷に帰ってきたそうだ。
やっぱりレオンお父様の底なしの魔力なら移動
魔法を使ってもそうそう疲れないんでしょう?
もっと使って楽に移動しようよ!長距離なら
尚更!ね?
おっと。また話が逸れてしまったよ。
元に戻すよ。
レオンお父様とメアリーが事件の日の朝に旅立
ってその日の夕方にルイお兄様が私を抱きかか
えて屋敷に戻り夜通しマッチョなおっさん達を
縛り上げ皇帝陛下に報告し現場検証し……。
次の日の朝になっても私の容体は安定せず半日が
過ぎ……。ってやっていたらレオンお父様達が戻っ
て来たらしい。
確かに1日半経っとるわ。
その間、屋敷の人達は私が死ぬかもしれないと
いう動揺と絶望で誰1人としてレオンお父様に
知らせなければ!と気がつく人はいなかったら
しくて……。
皇帝陛下側はとっくにレオンお父様には知らせが
行っていると思っていたみたい。
ちなみにユーリ様は事件の事をノア付きの
『赤の3人衆』達からの報告で知り自分も騙された
と知って直ぐに屋敷に来てくれていたそうだ。
勿論ユーリ様もこの時には既にレオンお父様に知ら
せていると思っているのでその事には一切触れ
ず……。半狂乱になっていたローズお母様に
「ディアは強い子だから大丈夫だよ。それにノア
の光魔法は桁違いに凄いからね。安心しなさい」
と優しく言って落ち着かせてくれたみたいで。
ありがとうございます。