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月に1回の行事③


「そうですよルイ。私だってこの妖精のよう

なディアを外には出したくないし、この屋敷

の者達以外に見せたくもないし、神殿様の目

にも触れさせたくはないのよ。けれど後々

面倒な事になってしまうと困るの。本当は

嫌だけれど。さぁ行って。本当に嫌なのよ?

神殿様には一瞬だけ会わせて直ぐに帰って

きなさい」


……さようでございましたか。

ローズお母様……。ガッツリ心の声も混ざって

の援護アリガトウゴザイマス……。


馬車は私達を乗せ今回指定された教会へと

向かう。森の中にあるそうで片道1時間ぐら

いだとか。


馬車の中では私の隣にエド、向かいに

ルイお兄様が座っている。

今日のルイお兄様の服装は白いシャツに

薄水色のコート。このコートには多色の

糸を使ってブーケ模様の刺繍がされている。

コートの下は腰が隠れる長さがあるシルバー

のウエストコートでこちらにも金色と水色の

糸で花と蔦の刺繍が控えめにされている。

下はブルーのブリーチズ。そして戦闘用の

ロングブーツだ。


ルイお兄様は私とお揃いの水色コーデに

してくれたんだな〜と少し嬉しい。

結構派手な服なんだけど流石ルイお兄様!

美少年なんで何でも着こなしてしまう

のよねこれがさ。眼福!!

でも靴は戦闘用なんだね。

いつでも戦える。安心。安心か?


エドはいつもの従僕制服。

こちらもお洒落な制服なんだよねぇ〜。

今は時間が無いので制服の説明は無し!


そんなルイお兄様は私の隣に座っている

エドをチラリと見て


「さぁディア。膝においで」


と、両手を広げた。


来たな!イケメンの『おいで』攻撃!

相変わらず破壊力満点だな!

初の衝撃的な『おいで』から数ヶ月。

その間に何回も『おいで』をされたので

私には今バンバン耐性があるのだ!

ふふふ。座っちゃうよ?いいのかい?


しかしあの一件以来ルイお兄様はエドが

私の近くに居ることを嫌がっているような

気がする。でも私の従僕なので一日中一緒

に居るんだよね〜。

自分が居ない時は仕方ないと思っている

みたいなんだけど仕事から帰ってきてから

と休日には私とエドを引き離しにかかる。


確かに……。最近のエドは身長もどんどん

伸びて美少年っぷりにも磨きがかかってきた

のだ。少し前までは私と同じ身長だったのに!

やはり男の子だな。

ルイお兄様はそんなエドを警戒している

ように見える……。


おかしいな……。野生児の私にはもう恋心

は無いはずなんだけど。

それなのにその話をしたあの日から溺愛が強く

なったような気がするんだよね。いや、気が

するのではなく確実に溺愛度が上がった。

何故?


……これはもしかすると兄が妹を溺愛するいわゆる

『シスコン』か!?そうなのか?そうなんだね?

私の中で何かがストンと落ちた。

うん。それなら納得だよ!シスコンにチェンジだ!

だって今から会うユーリ様も妹だった母様を溺愛

してたんだもんね?

これは家族愛ってやつ!家族愛ならアフロな

おばちゃん的には犯罪臭も薄らぐってもんよ!

はい。解決した。


ってわけで私はルイお兄様の顔を見てニッコリ

微笑んでから膝の上に移動させて頂いた。

あれ?ルイお兄様の顔が少し赤いけど?

おばちゃん心配だわ〜。


「ルイお兄様?何かありました?お顔が少し

赤いようですわ?」


私は心配になり両手でルイお兄様の顔を包み込ん

で言った。

そうすると更に顔が赤くなり目を伏せてしまった。


「……まったくこーゆー事をさらっとやってしまう

のだよね……。天然……。絶対に他の男を近づけて

はダメだな……」


んーーー?なんか言いました?ブツブツ言ってて

聞こえないんだけどーー?


「大丈夫だよ。何も問題ない」


ルイお兄様はそう言ってニコッと笑った。

くっ……。眩しい。こんな至近距離で見て

しまったので目が潰れるかと思った。

ふぅー。危ない、危ない。


「ルイお兄様はユーリ様とお会いした事は

ありますの?」


情報収集するぞ。


「個人的にはないよ。時々皇帝と神殿で会議が

あるのだけどその時にお姿を拝見したらご挨拶

する程度かな」


ちーん。情報収集終わり。

どんな人なのか聞いておきたかったけど

ここで突っ込んで聞いてしまうと、はぁ?

ってなるよね。だって私の方が何回も

ユーリ様とは会ってるわけで……。

記憶に無いけど。

むぅーーーー。と項垂れているとルイ

お兄様が


「ディア?最近少し肉付きが良くなって

きたのではない?健康的になって益々

可愛いね」


と、私の腰に回していた両腕にギュッと

力を入れ肩に顎を乗せてきた。

そして私の首筋の匂いをクンクンと

嗅ぐ。筋の通った綺麗な鼻先が首にあたり

ゾワゾワする……。

勘弁してけろ……。


「ディアはいい香りがするね」


いや……。ちょっ……。顔が近いし

息もかかるし……。匂い嗅がれるって

ヤバイぐらいドキドキするんですけど!?

シスコンとはいえ刺激が強いデス……。

それにいい香りがするのはルイお兄様の

方デスケド……。


「そ、そうですわよね!あれだけ食事量が

増えればお肉も付きますわ!夜はお部屋で

筋トレもしてますのよ!」


ふぅー。普通に返せてる?

動揺してない?声震えてない?


「ふふふ。ディアは頑張り屋さんだからね。

でもあまり無理はしないこと。いいね?」


そう優しく言って私の頬に自分の頬をくっつけ

てきた。うひょょょーーーーーーー!

何!?このスベスベお肌!!

し、死ぬ……。先程から刺激が強すぎてもう

生きる屍状態。


ルイお兄様は私にはいつも甘い空気を

醸し出す。砂糖菓子のように甘いのだ。

そして私は毎度茹でダコのように真っ赤な

顔になってしまう。きっと今もそうなって

いると思う。ルイお兄様だって気が付いてる

はずだよね……。

恥ずかしい……。


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