月に1回の行事②
内戦にまでなりそうな勢いの揉め事らしい
ので今回はどうしてもレオンお父様が現地
まで行かないとダメらしい。
今日の予定はキャンセルしてまた改めて日程
を組もうとレオンお父様は言ったのだけど
せっかく用意もしたしユーリ様にドタキャン
は悪いので私は行くと言った。
レオンお父様は渋々OKを出してくれて急遽
休日だったルイお兄様が一緒に来てくれる
事になったのだ。
レオンお父様はルイお兄様に何回も、何回も
「ブロストの奴がディアに触れてもいいのは
3回までだ。神殿に招待すると言ったら即
断れ。それと……」
と、何項目あるのか知らんけど注意事項を
言っていた。
その内容からしてやはりレオンお父様と
ユーリ様は仲が悪いのかなって思う。
人生平和が1番だよ?あんまり争わないでね。
そして後ろ髪を引かれるようにレオンお父様
はメアリーを連れて揉め事の村へと出発した。
何故メアリーを?今度聞いてみよーと。
その村までは片道1日半かかるんだって。
この世界は転移魔法なるものが存在するのだけ
どそれはよっぽど切羽詰また時だけに使うみた
い。なんでも転移魔法を使うとかなりの量の
魔力を消費しちゃうらしい。だから長距離なんて
もってのほかなんだとか。逆に近くなら使う人も
いるんだそうで。
えー?って思う。だってそーゆーのって長距離
だからこそ使うんじゃないの?
近場こそ馬や馬車でよくない?
そこら辺の感覚が私には分からん。
それにレオンお父様みたいに底なしの魔力
持ちならバンバン往復使えそうじゃね?
しかし郷に入れば郷に従えなのかな。
ちなみに移転魔法は使える人と使えない人が
いる。移転魔法が使える人は手紙も自動で運ば
れてくるシステムが作れるそうで勿論我が
ヴィンセット家にもありますよ。先程の皇帝陛下
からの手紙もそれで送られてきたんだって。
さて、本日のお出掛け用にとメアリーが朝から
私を可愛くしてくれた。
水色のワンピースは総レースになっていて腕は
透けレースになっている。
ウエストは前でリボンを結ぶデザインだ。
ホントにメアリーはリボン好き……。
総レースなので色っぽい雰囲気になると思いき
や前結びのリボンとスカートのふわふわ感で逆
に可愛くまとまっている。
レースに金色の糸が混ざっているのだろう。
ワンピース全体が光に当たるとキラキラする
のだ。
髪はハーフアップでまとめている所には
パールの髪飾りを散らしている。下している
髪はクルクルな巻毛にしてくれて毛先まで
可愛い。
ピアスは深いブルーの石が付いたお花型。
このブルーはもしかするとユーリ様の瞳の
色なのかな〜?
そして当然の如くメイクもバッチリされた
のである。
女神降臨だ。自分で言ってしまった。
今日のお出掛けは私、ルイお兄様、エドと
その他護衛騎士様30人となった。
なんせレオンお父様が不在で心配性なもんだ
から騎士様30人付けて行ったわけです……。
ルイお兄様はメアリー渾身の作
『水色のクラウディア』を見て目を見張った。
「今日は神殿様に会うの止めて私とデートしよう
か?あ〜やはり誰にもディアを見せたくないから
屋敷から出ないで室内デートにしようか?」
と、ぶつぶつ言い出した。
目が真剣だ。目が本気だ。
この本気っぷりはヤバイぞ。本当に拉致監禁され
そうだ……。この場にノアが居なくて良かった。
兄弟でタッグを組まれたらお終いだ。
ちなみにノアはもう学校に行った。
「ふふふ。ダメですわルイお兄様。ユーリ様が
待っていますわよ?早く出発しないと……」
ね?と、外まで見送りに来てくれていたローズ
お母様に同意を求めた。