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初めてのお出掛け④


「この前、兄上の騎士団とスイーツパーティー

をしたでしょう?僕が学校に行ってる時に」


ノアが少しムッとした顔で言ってきた。


「あ、あれは騎士様達の予定に合わせると多くの

皆さんが参加出来るのがあの日でしたの。ノアの

居ない日に開催してしまってごめんなさいね」


おっ!最後まで言えたぞ!


この前、私の手作りクッキーでひと騒動があった

のだ。キルア様に私が焼いたクッキーをこっそり

あげたのを他の騎士様達に見つかって自動的にルイ

お兄様の耳にも入ってしまったのだ。

本当はすぐ後にルイお兄様にも賄賂としてあげる

はずだったのに秒でキルア様の所に行き掴み合い

の喧嘩に発展。その騒ぎでレオンお父様にも伝わっ

てしまったのだ。


キルア様より先にルイお兄様にあげていればよかっ

たと後悔した。

だって私のクッキーごときであんな騒ぎになるなんて

思ってもいなかったのだよ。


レオンお父様に私が騎士様達の訓練を覗き見してる

ことがバレてしまったのだがそっちよりも手作り

クッキーをあげたことの方がヤバかったらしい。


想像してみて欲しい。

レオンお父様とルイお兄様に私が男性に手作りの

物をあげてたと伝わった時の修羅場を。

一歩間違えばキルア様が打首になるとこだった。


私は慌てて2人にも手作りお菓子をあげると言って

その場を収めようと思った。

そんなんで収まるとは思っていなかったのだけど。

が……しかし、しっかりと収まったのである。

マジか!?あんなに殺気づいていた2人が突然に

ふにゃふにゃになり


「ああ、そうか、そうか。ディアの手作り菓子

が食べれる日が来るとは……」


と、レオンお父様は涙ぐみ


「キルアより後とは納得いかない部分もあるけど

ディアのその可愛い手で、その天使の様な手で

作ってもらえるのなら許そうかな」


と、ルイお兄様は少しホラーな笑顔になった。


で、他の騎士様達も


「俺らも……欲しい……」

「食べてみたい……」

「副団長だけズルい……」


とか次々に言い出して暴動のような雰囲気に

なり、あーもー面倒くさいから皆んないっぺん

に食べてもらう!てことでスイーツパーティー

を開催することにしたのだ。

もちろんパーティーが終わった後、レオンお父様

とルイお兄様には特別に違うお菓子をプレゼント

したよ。


私は大量のお菓子を料理人達と一晩かけて作り

上げたのである。その時ばかりは厨房の男性達

と一緒に作業してもいいとレオンお父様から

OKが出た。


少し気になったのはローズお母様が


「ディアの好みの殿方はキルア様だったのねぇ

大人の色気がいいのかしら?ふふふ」


と、小さく呟いていたことだ。

いや、違うから。

そうじゃなくて……。うん。

そうじゃないと思うよ?多分。


で、このパーティーに参加出来なかったノアには

ディアちゃんお手製豪華スイーツセットを

プレゼントしたんだけど……。あんまり納得して

なかったかぁー。すいません……。


「そのパーティーでどれだけの騎士達が姉様に

惚れたかご存知ですか?」


キタキターー!鼻息荒いノア!ふがふが言ってる!

激可愛で私の大好物なのだ。

きゃぁぁぁ!福眼!


「私に好意を寄せる殿方などいないのでは

ないのかしら?『山猿』ですし……」


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