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バルガー村


「あはは!イザーク殿下のプロポーズを

ハッキリと断ったと聞いたぞ?」


美人さんが私の目の前で豪快に笑ってる。

そう今日は月に一度のユーリ邸お泊まりの

日なのだ。前までは月に一度、レオンお父様

を交えて教会で会っていたのだけど今は

ユーリ様の奥さんのイレーネ様と息子のアンリ様

も私に会いたいとの事で一泊2日のお泊まりに

なった。


もちろん最初、レオンお父様は猛反対した。

だけどユーリ様は私もディアの正式な叔父だから

一泊ぐらい良いではないか!と言って譲ら

なかった。その言い争いを聞き付けた皇帝陛下が


「レオンは毎日ディアと一緒に暮らしているの

だから月に一度ぐらいユーリに譲ってやれ」


と言ってきたらしい。

そして一泊2日のユーリ邸お泊まりが決まった

のだ。何だかんだ言っても皇帝陛下の一言は

効果があるんだな。

そんなこんなで今に至る。


「何故その事を?」


私は飲んでいた紅茶を吹き出しそうになるのを

堪えた。


「もう貴族の中ではこの話は挨拶するように

皆んなしているよ?」


アンリ様がニコニコしながら言う。


「え?そ、そうなの?」


「ええ、そうよ?それにイザーク殿下はその

日から寝込んでいるって噂も広まっているわ」


イレーネ様も楽しそうに笑っている。

因みにその噂は本当らしいです。


「イザーク殿下の前世が異世界人で更にディアの

夫だと聞いた時はもしや今世でもと焦ったのだが......。皆の前でバッサリとはイザーク殿下

も可哀想だな」


全然可哀想だな的な顔をしていないユーリ様。


「えっと、私の中での前世の記憶は前世なん

です。つまりもう過去の事でして。

イザーク殿下には申し訳ないのですが今は

クラウディアとして新しい人生を楽しもうと......」


「それはとても良い事ね!」


イレーネ様が目をキラキラさせて私を見る。


「その事があってからジャンの奴、『俺の息子

達は最高だ!誇りだ!』と自慢してくる」


ユーリ様が不満そうだ。

まあ、息子の1人が前世異世界人でその記憶持ち。

更に今世の『金色の女神様』の前世での夫。

もう1人は伝説のアーサー王の生まれ変わり。

自慢したくもなるかも。


ん?アーサー王の生まれ変わりと言えば!

聖女様を崇拝してたユーリ様に感想を訊ねるの

忘れてたな。


「そう言えば、ユーリ様は聖女様の生まれ変わり

にお会いしてどうでしたか?」


「くっ!それを訊くのか?

アイツは断じて聖女様の生まれ変わりでは

ない!!私は信じていない。あんな、あんな

捻くれ者の変態.....」


少し涙目だ。

あんなに崇拝してた聖女様が本当はあんな感じ

だったて分かったらショックかぁ。

でもあの日記も変態感ダダ漏れしてたけど

ユーリ様には伝わってなかったんだね。

なんかすいません。


「ディアちゃんも色々あったから少し気分転換

に旅行とか行ってみるのもいいかもしれない

わね〜」


イレーネ様がスッと話題を変えた。

ナイスです。ありがとうございます。

って旅行?旅行!!


「あ......あの、私、『女神の剣』についてずっと

考えてて、行ってみたい場所が一つあるんです

けど!!」


「何だ?その場所に『女神の剣』がありそう

なのか?」


ユーリ様の目が鋭く光る。


「行くまで確信はないんですけど......」


「そうか。では行ってみよう」


ん?ユーリ様も一緒に行く気満々?


「あなた、明後日からは神殿のお祭りですわよ?

1週間このアグオスから出られないことは

お分かりですわよね?」


イレネーネ様の低い声、初めて聞いた。

怖っ。


「あなたはこの時期になると何かと理由をつけて

お祭りから逃げようとなさるわよね」


「本当ですよ?父上。何年か前は私が父上の

代わりにやりたくもない『祈り』をやらされた

のですからね?今年はお逃げにならぬように」


妻と息子から低い声で言われて項垂れるユーリ様。

いつも自信満々なのに珍しいものが見れた!!


「お祭りって毎年のアレですよね。実は行きたい

場所、レオンお父様が治めている村だった

んで一緒に行ってもらおうと思ってたんですが

お祭りなら無理かぁ〜」


このお祭りは神殿主催の1年平和に暮らせて

神様ありがとうみたいなやつなんで皇帝陛下

やノワール、ブロン、その他貴族様達は絶対

参加なのだ。したがってレオンお父様も絶対

参加だし勿論神殿様のユーリ一族は皆参加だ。


「大丈夫ですよ、お嬢様。私がお供しますので」


「私もです。お嬢様の行く場所はどこでも行かせ

て頂きます」


隣に立っていたエドとメルが微笑みながら言った。

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